フォーラム

第14回大使を囲む懇談会開催

  • 堀内アフリカ連合日本政府代表部大使を囲む懇談会
  • 2022年度第14回・堀内アフリカ連合日本政府代表部大使を囲む懇談会

    3月24日午後、国際文化会館会議室において堀内俊彦・アフリカ連合日本政府代表部大使をお迎えして、アフリカ連合と日本との関係などについて伺う会を開催しました(会員企業等からの出席者16名、オンラインによる出席者17名)。

    冒頭堀内大使より、本日アフリカ協会から戴いたテーマは「米・中・露の対アフリカ活動が活発化する中で,TICAD8以降、AUとの外交を日本はどのように考えるべきか」であるが、現時点で解を持ち合わせているわけではなく、(AU本部のある)アディスアベバにいて見聞きすること、考えることを中心に述べてみたい、として以下の説明がありました。

    改めてなぜアフリカが大切かという点だが、アフリカの人口は2100年には約34億に達するという国連の推計もあり、今後AUの動きや考えがグローバル市場に影響を与える等の可能性もありうると考えられる中で、アフリカの在り方、そのガバナンスが世界を左右する可能性もある。また、アフリカは「グローバル・サウス」の主要な構成員としても注目が高まっている。ロシアのウクライナ侵攻をめぐる国連での投票行動においても、アフリカ各国は棄権する国が多いなど、特異の傾向を見せている。植民地支配などの歴史的な経緯に基づく欧米への反感(ルサンチマン)も根強く存在する一面にも注意が必要。日本が1990年代に開始したアフリカ開発に関するアフリカとの対話の場であるTICADは、その後追随する国やEUなどの地域機関が多くなり(ただし、TICADは国際機関など、日本とアフリカ以外の関係者も関与する「マルチ」性も売り)、アフリカも日本も変わっていく中で、今後TICADをどのような場とするかについても考えをさらに進める必要があろう。次回TICAD(2025年のTICAD9)に向けた新機軸などの考案も必要となるのではないか。いずれにせよ「アジェンダ2063」(2063年までにはこのような目標を達成していたい、とするもので内容はほぼSDGsと整合的)はAUの最重要文書であり、早くから日本はこの達成への道に向けて関与すべきと思われる。

    この後、法人企業等の出席者より、「アフリカへの世界の関心が薄くなっていた1993年に日本はTICADを開催したが、その後先進諸国、中国、トルコなども同様のアフリカ開発を考える会合を主催し始めている現在、アフリカ諸国は日本のこのようなイニシアチヴをどのようにとらえているのか?」、「安保理改革の内容として、アフリカから2ヵ国を(常任理事国として)出すという案が従来からあるが、この案への日本の考え方はどのようなものか?」、「安保理改革へのアフリカ各国の期待はさまざまであり、この問題へのアフリカの統一した意見は見出しにくくなっているとも考えられるところ、現状はどうか?」、「アフリカへの2国間協力とマルチの場での協力のあり方をもっと検討すべきと思われる。」、「アフリカの中で、日本との関係をより緊密化したいと考えている地域の国々や、日本として一層の協力強化を検討したい特別の地域があるか?」、「AUの有効性については加盟国にも批判がある中で、希望が持てるのはアフリカ大陸自由貿易圏と思うが、この成功の見込みは?」などの質問や意見が出されました。

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