フォーラム
  • 進藤奈邦子WHOメディカルオフィサー講演会
  • -エボラ出血熱をめぐる現状と対策-
    • ■日 時:2015年1月15日(木)
    • ■場 所:日仏会館ホール (渋谷区恵比寿3-9-25)
    • ■主 催:一般社団法人アフリカ協会、公益財団法人日仏会館

 

  • 1月15日、WHOメディカルオフィサー進藤奈邦子博士をお迎えし講演会を開催しました。先生は、アフリカにおいてエボラ出血熱治療対策チームのチームリーダーとして対策にあたってこられました。
    講演会には、当協会の法人会員・個人会員をはじめ日仏会館会員や政府関係先などから総勢60名が参加し、現在アフリカで大きな問題となっているエボラ出血熱の現状やその治療における問題点などに関し拝聴しました。
    講演会の前半は進藤博士による講演、後半は松浦晃一郎一般社団法人アフリカ協会会長(公益財団法人日仏会館理事長)の司会で、進藤博士を中心に、加藤康幸国立国際医療研究センター国際感染症対策室医長、丸山則夫外務省アフリカ部長及び井上肇厚生労働省健康局結核感染症課長を交えて対談を行いました。
    講演では、エボラ出血熱の症状の特徴、蔓延状況、対策方法などをスクリーンで図示しながら説明され、特に苦労したこととして、ウイルス感染の強い危険性を感染地域の住民になかなか理解してもらえない点であったと述べられました。また現地での経験を基に、「エボラ出血熱患者の臨床管理に関する10のチャレンジ」として、感染症と集中治療の専門家のカップルを組んでの対処、医療従事者自身の防衛のための専門家の派遣、支持療法での致死率の改善、住民の理解、メディアへの対応などに関するお話がありました。
    対談では、司会の松浦会長より各対談者に、エボラ出血熱が近年一気に拡大し被害が広がった原因、今後の拡大の見通し、日本の貢献、及び日本国内の対応状況などの質問があり、進藤博士より、拡大の原因は人的な要因が大きく、森林伐採やダイヤモンド・金などの資源開発により従来の人間とジャングルの住み分けが崩壊したこと、又交通網や経済活動の発達で広範囲での拡大につながったこと、さらに都市化の進展により人口密集地が増え人間同士の接触が拡大したことなどがあげられると説明されました。加藤医長よりは、シエラレオネでは西部地域への拡大が見られ収束には1年以上かかると予測されていること、リベリアでは感染者の把握に困難があり収束の見通しは未だ不明なことなど、医療従事者や治療施設の不足もあり対策に苦慮している実態の報告がありました。他方国際医療機関の尽力もあり、近隣諸国ではセネガルが収束、マリでは1〜2件の発生はあったものの拡大には至っていないなど改善も見えているとのことでした。丸山部長よりは日本の貢献について、9月に安保理でエボラ熱の脅威が報告されたあとJICAのサポートなども得て中長期的な視点に立って財政・物的・人的支援を行っている旨のコメントがあり、井上課長からは、感染帰国者の有無の早期発見、患者の運搬ルート、治療などの体制さらに報道機関への対応など国内感染を阻止する体制は出来ているとの報告がありました。
    その後聴衆者からアフリカ地域での移動の制限状況、アフリカに多数従事している中国政府との連携体制、などに関する質問がでました。
    講演及び対談時間として2時間を予定していましたが、予定終了時間を多少オーバーして15時45分に盛況のうちに閉会しました。最近世界の注目を集めている疾病だけに聴衆の方々も真剣に講演・対談を聴取され最後まで熱気のある講演会となりましたことをご報告いたします。
    (文責 理事・事業委員会委員 成島利晴)

 

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