
皆様に参考となる資料を紹介するコーナーです。
お忙しい方でも、手軽にデータやトピックスにアクセス出来るように
工夫しています。
ご興味のある資料は検索してみて下さい。
- 「アフリカ青年調査2020」
- 【月刊アフリカニュースNo.90掲載】
- “The African Youth Survey 2020”
Ichikowitz Family Foundation、BCW (Burson Cohn & Wolfe), PSB Research
https://ichikowitzfoundation.com/ays2020-book/#fb0=7 本文
https://ichikowitzfoundation.com/african-youth-survey-2020-press-release/ プレスレリース
・14ケ国、4200人のインタビューに基づく
・アフリカの青年は、アフロ・オプティミズムに溢れている。
・強い個人の責任感、植民地メンタリティーからの解放、起業家精神、アフリカ人としての帰属意識、諸問題を共同して解決する信念、平和と個人の生活の改善意欲を持ち、
アフリカ青年のステレオタイプとは大いに異なる。
・オプティミズム:個人とアフリカの将来に関して、アフリカ全域としては楽観的で、
65%が21世紀はアフリカの世紀と信じている。一方で、悲観的な
意見もあり、現在、アフリカ大陸として良くない方向に向かって
いるという懸念を49%が、更に現在の自分の国と限定した場合は
63%が懸念を示している。
・起業家精神: 76%が5年以内に自分でビジネスを始める意欲を持つ。 60%以上が
具体的なビジネスまたは社会的企業のアイディアを持つ。75%が彼ら
の仕事を通じてコミュニティーに良い変化をもたらすと信じている。
・技術: 青年達は時事問題に関心を持ち、技術とメディアに通じている。79%がWi-Fi
へのアクセスは、基本的人権であると信じている。82%は技術がアフリカの
運命を変えると信じている。59%が一日3時間以上スマホを使っている。
89%がソーシャルメディアにアクセス。
・メディア: ソーシャルメデイアは、TV(72%)に次いで第二のニュース源(54%)、最も
信頼されていないのは、Facebook(53%)、次にWhatsApp(50%)、フェーク
ニュースは問題であると認識し、67%が正しい情報を得る能力に影響を
与えていると述べている。
・環境: 気候変動に関心が薄いが、個別の問題に関心を持つ、水の不足(86%)、廃棄
プラスチック(79%)、野生動物の密猟(69%)。
・気候変動:57%が途上国も気候変動に先進国同様に責任を持つべき。
・アフリカン・アイデンティティー(帰属意識):個々の国民国家が帰属意識の源である
が、76%は共通の文化やマンデラに表徴される価値観によって共有する
アフリカへの帰属意識があると考える。
・アフリカの統一:多くの青年が大陸は間違った方向に動いているが、63%がアフリカの
統一がアフリカを前進するとし、72%はAUがアフリカを統一できる
と信じている。
・コミュニティーの結束:青年は自分たちの地域的なコミュニティー(民族的、宗教的、
経済的つながり)に深く埋め込まれている。
・民主主義的価値観:青年は大陸にとって民主主義(48%)と安定(48%)のどちらが
大切か、で分かれているが、民主主義の参加、寛容、自由を信じて
いる。将来政治家を目指す青年は非常に少ない。
・国際関係:青年は外国の影響について分かれている。一方で新たな植民地的な影響を
嫌うが、他方、米国、中国、EUの影響はポジティブと評価する。
トランプ大統領、ビル・ゲーツ、マーク・ザッカーバーグは次の5年間
大きな影響を及ぼすと考えている。
・チャレンジ:感染病とテロが次の5年間で最大の脅威と受け止めている。将来は雇用
機会、イノベーション、起業家精神と汚職に左右される、と考えている。
- 「世界の民主主義についての調査」
- 【月刊アフリカニュースNo.89掲載】
- “Global Satisfaction with Democracy 2020”
The Bennett Institute for Public Policy at the University of Cambridge
1月20日
https://www.bennettinstitute.cam.ac.uk/media/uploads/files/DemocracyReport2020.pdf
ケンブリジ大学のThe Centre for the Future of Democracyが、154ケ国、400万人
と、3500調査機関を活用し、1995年から世界の民主主義への見方の調査を行った。
同報告は以下のような内容である。尚、西欧諸国については50年間、その他の国に
ついては25年間の推移である。
【世界全体―要約】
1)世界全体としては、現在民主主義は、病んでいる状態である。
2)1995年からの時系列でみて、現在は世界的に最高の不満足の状態である。
3)民主主義への不満足は2005年から急激に上昇した。
4)大きな人口を抱える民主主義国―米国、ブラジル、ナイジェリア、メキシコ等
が、下降傾向の先頭にある。
5)その結果、現在大きな民主主義国は、民主主義に対して最も不満を持っている。
6)先進民主主義国の市民は、民主主義への不満足を経験している。
7)民主主義への市民レベルの不満は、経済ショック、汚職スキャンダル、政策危機
など、客観的な状況や事件に基づいている。
8)状況は必ずしも民主主義へ否定的ではない。多くの小さな高所得の民主主義国で
は、自己の諸制度への自信を高めている。
9)地域的な比較では、特にアジアに明るい国も見ることができる。
【サブサハラ・アフリカ】
1)サブサハラ・アフリカは、世界の主な地域の中で、最後に民主化を経験した。
2)自由で公正な選挙は1990年代に始まった。独立直後から、“独裁者”が
一党制の下で、パトロネジシステムを利用する政治が機能していた。
3)犯罪、都市の貧困、汚職等が民主化の正当性を傷つけ、この地域の人口の半分が、
それぞれの国の民主主義の状態に不満を表明している。
(ご参考)
*通貨換算URL:http://www.xe.com/ja/currencyconverter/
- 「腐敗認識指数CPI」
- 【月刊アフリカニュースNo.88掲載】
- “CPI 2019: Global Highlights:How corruption impacts political integrity”
Transparency International、1月23日
https://www.transparency.org/news/feature/cpi_2019_global_highlights
・Corruption Perceptions Index(CPI)は、各国の公的部門の汚職、腐敗程度を専門家と
ビジネスマンによって、指数化したもので100点(非常に清潔)から、0点(非常に
腐敗)となっている。今年は180ヶ国について指数化されている。2/3以上の国が、
50点以下、平均43点である。
・ニュージランドが、最も汚れていない国とされ、87点である。北欧諸国が次であり、
シンガポール、ドイツ、アイスランドと続いている。ソマリアが9点で最低であり、
スーダン、南スーダン、シリア、イエマン、ベネズエラ、アフガニスタン、北朝鮮と
続く。昨年から改善した国として、アンゴラは7点上がって26点で、146位となった。
盗まれた50億ドルを取り戻したからである。サウジアラビアは、人権問題を抱えて
いるが、4点上がって53点で51位となった。米国は2点を足して、69点で23位と
なっている。
・EU諸国が、平均66で最高である。サブサハラ・アフリカは、地域として最低で平均
32点である。汚職取締に対する厳しい動きがないとされている。セーシェルが66点
で最高であり、ボツワナが61点で続いている、カーボベルデ58点、ルワンダ53点、
モーリシャス52点である。低い方から、ソマリア9点、南スーダン12点、スーダン
16点、赤道ギニア16点となっている。
・調査によれば、選挙時に資金の流れが自由な国、意思決定過程で広く協議が行われる
国よりも、エリートが恵まれている国に汚職が多いとのことである。
- 「2020年世界経済予測:低成長と政策へのチャレンジ」
- 【月刊アフリカニュースNo.88掲載】
- “January 2020 Global Economic Prospects: Slow growth, policy challenges”
World Bank、1月8日
https://www.worldbank.org/en/news/feature/2020/01/08/january-2020-global-economic-prospects-slow-growth-policy-challenges
(本文は上記サイトを開いてから、ダウンロードして下さい。全文334ページ)
・世界の2020年の経済成長は2.5%と予測されている。投資と貿易は2019年の弱い
傾向から、ゆっくりと回復してくると予想されるが下降傾向が全く無くなったわけ
ではない。
・先進国全体としては、2020年には1.4%と予測される。製造業の成長に弱点があると
予測される。
・新興国と途上国の成長は、遅い状態が継続することであろう。
政策作成者は、この機会を利用して、貧困の削減のために裾野の広い成長を目指した構造改革を実行すべきであろう。
・サブサハラ・アフリカ地域の成長は、2020年には2.9%が期待できるが、幾つかの
大経済国の投資家の信頼回復、エネルギー供給の隘路の解決、石油輸出国の生産の
増加、農産物の輸出増加の継続などが条件である。
・南アフリカの成長は、0.9%と予想されるが、前提は政権の改革が早急に進むこと、
政策の不安定さの解消、投資が次第に回復することである。
・ナイジェリアの成長は2.1%が期待されるが、マクロ経済の動きは、信頼を勝ち取る
ものとは言えない。
・アンゴラは1.5%の成長が期待できるが、現行の経済改革が、マクロ経済の安定に寄す
ること、ビジネス環境の改善、民間投資の増加が前提である。
・West African Economic and Monetary Unionの経済成長は、6.4%を維持すること
であろう。ケニアの成長率は6%にじわじわと上がるであろう。農産物の輸出、公共
インフラの投資、民間部門の活発な経済、あるいは、生産性と輸出部門の競争を挙げ
ている、マダガスカル、ルワンダ、ウガンダ、ブルキナファソ、コートジボワール等
には、経済成長が期待できる。
・危険要素:中国、EU圏内、米国で、経済の予想以上の下降があれば、サブサハラ・
アフリカ地域の経済は、大きな影響を受けるであろう。また、政府の債務の増加は、
利払いの増加、財政の圧迫、債務の維持に問題を投げかけている。
気候変動は、農業に大きなマイナスの影響を与えている。
(ご参考)
*通貨換算URL:http://www.xe.com/ja/currencyconverter/
- 「アフリカ諸国:2020 年の選挙予定」
- 【月刊アフリカニュースNo.87掲載】
“2020 African election calendar(Updated December 2019)”
https://www.eisa.org.za/calendar2020.php
こちらをご参照ください。
- 「サヘール地域5ヶ国の2040年までの開発予想」
- 【月刊アフリカニュースNo.87掲載】
- “Prospects For The G5 Sahel Countries To 2040”
Institute for Security Studies、12月5日
Stellah Kwasi、Jakkie Cilliers、Zachary Donnenfeld、
Lily Welborn and Ibrahim Maïg
https://issafrica.org/research/west-africa-report/prospects-for-the-g5-sahel-countries-to-2040 サマリー
https://allafrica.com/download/resource/main/main/idatcs/00121809:df8b3128540ffbb4aad
27e5818129b14.pdf 本文
G5とは、ブルキナファソ、チャド、マリ、モーリタニア、ニジェールの5ヶ国。
2040までの開発予測-農業、人口、インフラ、ガバナンスと教育の分野の分析。
【サマリー】
1.大多数の国民は農業と遊牧に従事
2.サヘール地域は、世界的な気候変動に最も厳しく影響を受ける地域の一つ
3.G5、特にチャドとニジェールは、人間開発において他地域と比較しても、最悪な成績となろう。
4.人口は2040年までにおよそ倍増
5.暴力的な過激思想と、不安定な状態が、生活水準の向上と安全確保を阻むことになろう。
6.海外からの仕送りと、援助が将来に渡って大切である。
(ご参考)
*通貨換算URL:http://www.xe.com/ja/currencyconverter/