
皆様に参考となる資料を紹介するコーナーです。
お忙しい方でも、手軽にデータやトピックスにアクセス出来るように
工夫しています。
ご興味のある資料は検索してみて下さい。
- 「世界経済展望:2020」
- 【月刊アフリカニュースNo.92掲載】
- “Global Economic Prospects:2020”
World Bank、6月8日
https://www.worldbank.org/en/publication/global-economic-prospects
(1)パンデミックは過去150年内で最も広範な経済崩壊をもたらした。
・本年世界経済は5.2%の縮小が予想される。これは80年間で最悪の不況であるが、
経済的損失に苦しむ国の数が膨大であり、景気後退の規模は過去150年間で最悪で
ある。
・危機の深刻さは、7千万人から1億人を極度の貧困に追い込むと予測される。
・最悪のシナリオでは、8%の世界的な景気後退が予想される、
・中国のみ本年わずかな成長(1%)が予想されるが、世界第二の経済減速は、
途上国、特に資源輸出国の景気回復を妨げることになろう、
・成長の減速は、米国:-6.1%、ユーロ圏:-9.1%、日本:-6%、ブラジル:-8%、
メキシコ:-7.5%、インド:-3.2%の予想である。
・感染が引き続き拡大することがあれば、政府は各種の制限を再発動する可能性も
あり、世界経済は-8%の低迷が予想される、
・2021年に4.2%の回復が達成されたとしても、多くの国においてコロナウイルスが
引き起こした景気後退の影響は、数年間継続することになろう。
(2)サブサハラ・アフリカ
・この地域の景気の後退はかって経験したことがないほど厳しいものである、
・加えて、感染者数、死者数、感染防止の諸対策は国内経済の運営を厳しく制限して
いる。
・主要貿易相手国の不況と商品価格の暴落は、輸出の減少をもたらしている。
・2021年には、プラスの成長が予測されてはいるが、脆弱な保健医療システム、
厳しい財政、効果的な実施能力の欠如している社会福祉政策、莫大な蓄積債務等
に、早急な経済回復は期待できない。
(3)世界各国の経済成長率、アフリカ諸国の経済成長率
①世界各国の経済成長率:
*配置されている表については、下記本文をご参照願います。
②アフリカ各国の経済成長率:
*配置されている表については、下記本文をご参照願います。
- 「新型コロナウイルス:アフリカの感染者数」
- 【月刊アフリカニュースNo.91掲載】
- WHO:Johns Hopkins; nCoV. 5月15日現在
https://africanarguments.org/2020/04/29/coronavirus-in-africa-tracker-how-many-cases-and-where-latest/
(African Arguments https://africanarguments.org で当日の感染数が表示される)
*配置されている表については、下記本文をご参照願います。
Confirmed coronavirus cases in Africa: 75,526
Recovered: 27,205
Confirmed coronavirus deaths: 2,563
- 「世界経済見通し:第1章のみ」
- 【月刊アフリカニュースNo.91掲載】
- “World Economic Outlook, Chapter 1 ”
IMF、4月 (full text will be available in May)
https://www.imf.org/en/Publications/WEO/Issues/2020/04/14/weo-april-2020
*配置されている表については、下記本文をご参照願います。
・世界経済の2020年の成長はマイナス3%と予測、2021年の成長は、5.8%と予測。
仮定:1)パンデミックが2020年後半に後退する。
仮定:2)感染対策は次第に減少する。
・多くの国が多元的な問題をかかえる:健康危機、国内経済混乱、外需の急落、
資本の流れの反転、商品価格の暴落、悪い結果を及ぼすリスクの増大等。
・経済の落ち込みは、特定セクターにおける急性ショックとして反映されるであろう。
政策立案者は、影響を受けたビジネスと、家庭の支援に的を絞った財政支援、金融
支援、金融市場の施策を実施しなければならない。
- 「アフリカ:新型コロナウイルス拡散に関するリスク要因」
- 【月刊アフリカニュースNo.90掲載】
- “Mapping Risk Factors for the Spread of COVID-19 in Africa”
the Africa Center for Strategic Studies、4月3日
*配置されている地図や表については、下記本文をご参照願います。
・アフリカ諸国は、いろいろ条件が異なるので、コロナウイルスへの対応も多様な戦略
を取らざるを得ない。ウイルスに対して最も脆弱な国は、早い段階で感染した国では
ないかもしれない。この分析は、アフリカ各国が直面する脆弱性に関する潜在的な
要素を推測するために危険因子を上げてみたものである。
・南スーダン、コンゴ(民)、ナイジェリア、スーダンが、コロナ感染の最も拡大しや
すい4ケ国である。(最後のページにアフリカ諸国の危険度の表がある。)
・脆弱性を示す地図-相対的な危険因子は、1から5で示されている。5が一番危険。
(1)International Exposure:第1段階:大陸外からウイルスが、旅行、貿易、観光等で持ち込まれる段階から、地域内感染の段階。第5段階:大陸内感染の段階。
*本文内地図参照
(2)Public Health System:健全な保健衛生システム、から脆弱へ。
*本文内地図参照
(3)Density of Urban Areas:都市の低い密度から高密度へ。
*本文内地図参照
(4)Total Population in Urban Areas:少ない人口から大きい人口へ
*本文内地図参照
(5)Population Age:若い人口構成から高年齢人口へ
*本文内地図参照
(6)Government Transparency:政府の高い透明性から低い透明性へ
*本文内地図参照
(7)Press Freedom:メディアの高い自由度から低い自由度へ
*本文内地図参照
(8)Conflict Magnitude:武装グループの紛争の少ない国から多い国へ。(紛争は食糧、水、保健、医療に大きな影響)
*本文内地図参照
(9)Displaced Populations:少ない避難民から多い避難民へ
*本文内地図参照
記事最後に表がありますので、本文ご参照願います。
- 「アフリカ青年調査2020」
- 【月刊アフリカニュースNo.90掲載】
- “The African Youth Survey 2020”
Ichikowitz Family Foundation、BCW (Burson Cohn & Wolfe), PSB Research
https://ichikowitzfoundation.com/ays2020-book/#fb0=7 本文
https://ichikowitzfoundation.com/african-youth-survey-2020-press-release/ プレスレリース
・14ケ国、4200人のインタビューに基づく
・アフリカの青年は、アフロ・オプティミズムに溢れている。
・強い個人の責任感、植民地メンタリティーからの解放、起業家精神、アフリカ人としての帰属意識、諸問題を共同して解決する信念、平和と個人の生活の改善意欲を持ち、
アフリカ青年のステレオタイプとは大いに異なる。
・オプティミズム:個人とアフリカの将来に関して、アフリカ全域としては楽観的で、
65%が21世紀はアフリカの世紀と信じている。一方で、悲観的な
意見もあり、現在、アフリカ大陸として良くない方向に向かって
いるという懸念を49%が、更に現在の自分の国と限定した場合は
63%が懸念を示している。
・起業家精神: 76%が5年以内に自分でビジネスを始める意欲を持つ。 60%以上が
具体的なビジネスまたは社会的企業のアイディアを持つ。75%が彼ら
の仕事を通じてコミュニティーに良い変化をもたらすと信じている。
・技術: 青年達は時事問題に関心を持ち、技術とメディアに通じている。79%がWi-Fi
へのアクセスは、基本的人権であると信じている。82%は技術がアフリカの
運命を変えると信じている。59%が一日3時間以上スマホを使っている。
89%がソーシャルメディアにアクセス。
・メディア: ソーシャルメデイアは、TV(72%)に次いで第二のニュース源(54%)、最も
信頼されていないのは、Facebook(53%)、次にWhatsApp(50%)、フェーク
ニュースは問題であると認識し、67%が正しい情報を得る能力に影響を
与えていると述べている。
・環境: 気候変動に関心が薄いが、個別の問題に関心を持つ、水の不足(86%)、廃棄
プラスチック(79%)、野生動物の密猟(69%)。
・気候変動:57%が途上国も気候変動に先進国同様に責任を持つべき。
・アフリカン・アイデンティティー(帰属意識):個々の国民国家が帰属意識の源である
が、76%は共通の文化やマンデラに表徴される価値観によって共有する
アフリカへの帰属意識があると考える。
・アフリカの統一:多くの青年が大陸は間違った方向に動いているが、63%がアフリカの
統一がアフリカを前進するとし、72%はAUがアフリカを統一できる
と信じている。
・コミュニティーの結束:青年は自分たちの地域的なコミュニティー(民族的、宗教的、
経済的つながり)に深く埋め込まれている。
・民主主義的価値観:青年は大陸にとって民主主義(48%)と安定(48%)のどちらが
大切か、で分かれているが、民主主義の参加、寛容、自由を信じて
いる。将来政治家を目指す青年は非常に少ない。
・国際関係:青年は外国の影響について分かれている。一方で新たな植民地的な影響を
嫌うが、他方、米国、中国、EUの影響はポジティブと評価する。
トランプ大統領、ビル・ゲーツ、マーク・ザッカーバーグは次の5年間
大きな影響を及ぼすと考えている。
・チャレンジ:感染病とテロが次の5年間で最大の脅威と受け止めている。将来は雇用
機会、イノベーション、起業家精神と汚職に左右される、と考えている。
- 「世界の民主主義についての調査」
- 【月刊アフリカニュースNo.89掲載】
- “Global Satisfaction with Democracy 2020”
The Bennett Institute for Public Policy at the University of Cambridge
1月20日
https://www.bennettinstitute.cam.ac.uk/media/uploads/files/DemocracyReport2020.pdf
ケンブリジ大学のThe Centre for the Future of Democracyが、154ケ国、400万人
と、3500調査機関を活用し、1995年から世界の民主主義への見方の調査を行った。
同報告は以下のような内容である。尚、西欧諸国については50年間、その他の国に
ついては25年間の推移である。
【世界全体―要約】
1)世界全体としては、現在民主主義は、病んでいる状態である。
2)1995年からの時系列でみて、現在は世界的に最高の不満足の状態である。
3)民主主義への不満足は2005年から急激に上昇した。
4)大きな人口を抱える民主主義国―米国、ブラジル、ナイジェリア、メキシコ等
が、下降傾向の先頭にある。
5)その結果、現在大きな民主主義国は、民主主義に対して最も不満を持っている。
6)先進民主主義国の市民は、民主主義への不満足を経験している。
7)民主主義への市民レベルの不満は、経済ショック、汚職スキャンダル、政策危機
など、客観的な状況や事件に基づいている。
8)状況は必ずしも民主主義へ否定的ではない。多くの小さな高所得の民主主義国で
は、自己の諸制度への自信を高めている。
9)地域的な比較では、特にアジアに明るい国も見ることができる。
【サブサハラ・アフリカ】
1)サブサハラ・アフリカは、世界の主な地域の中で、最後に民主化を経験した。
2)自由で公正な選挙は1990年代に始まった。独立直後から、“独裁者”が
一党制の下で、パトロネジシステムを利用する政治が機能していた。
3)犯罪、都市の貧困、汚職等が民主化の正当性を傷つけ、この地域の人口の半分が、
それぞれの国の民主主義の状態に不満を表明している。
(ご参考)
*通貨換算URL:http://www.xe.com/ja/currencyconverter/