フォーラム

第12回大使を囲む懇談会開催

  • 大菅駐チュニジア共和国大使を囲む懇談会
  • 2022年度第12回・大菅駐チュニジア共和国大使を囲む懇談会

    3月2日午後、国際文化会館会議室において大菅岳史駐チュニジア共和国使をお迎えして、同国の近況について伺う会を開催しました(会員企業等からの出席者14名、オンラインによる出席者12名)。

    大菅大使より以下の説明を行いました。
    昨年TICAD8を首都チュニスで開催した。チュニジアの面積は日本の約5分の2、人口は日本の約10分の1であり、1人当たりGDPは3,807米ドル。海洋民族だったフェニキア人が築いたカルタゴをルーツとするためか、明るく開放的な国民性であり、また、教育水準が高いのが特徴。2010年末に始まった「アラブの春」以後、新憲法の制定などを経て、2019年の第2回大統領選挙で、無党派のサイード大統領が圧勝して現在に至っている(次期大統領選挙は来年9月)。革命後の2014年に制定された憲法は国内の権力分立を重視しているが、その後議会による政治停滞などが生じた結果、国民の不満が増大し、2021年7月、大統領決定により首相が罷免され、議会が停止された。その後新首相が任命され、政治改革のロードマップが示された。新型コロナの鎮静化により経済活動は回復基調に乗りかけたが、その後のウクライナ危機により、燃料・食料価格が高騰し、昨年秋以降、財政収支の悪化が深刻化しており、財政立て直しへ向け,IMFとの間で交渉が継続されているが、この交渉をまとめることにより、財政を立て直すことが政府の急務であると考えられる。

    (時間の関係で、同国と日本との関係及び昨年8月チュニスで開催されたTICAD8については、説明されませんでしたが、当日配布された本講演会用の資料によれば、「民間のビジネス活動を後押しするため、日・チュニジア・ビジネス促進委員会の設置を調整中であり、二国間投資協定の締結に向け、両国で議論を開始した。現在は26社の日系企業が進出している。日本による開発協力はこれまでインフラ整備、電力、水分野等での借款を積極的に実施してきた。またチュニジアをハブとした三角協力も推進、最近はコロナ対策のため、保健分野も強化している」などの二国間関係の他、TICAD8についてもその成果等が記述されています。)

    次いで法人会員など参加者より、「生活必需品の不足などの問題はあるが、1月の世論調査では、国民の49%が現政権を支持しているという結果が出ており、これはどう解釈したらよいのか?」、「同国は欧に近く、アフリカのゲートウェイともいうべき地理的な場所に位置しているが、ウクライナ問題以後、食料油、穀物等の価格高騰もあり、速やかな経済回復が求められていると考えられるところ、いかなる道がありうるか?」、「昨年チュニスで開催されたTICAD8の時、西サハラ代表の出席に関してチュニジア側の対応をモロッコが不服としたなどの経緯があったが、その後チュニジアとモロッコの関係は修復されたのか?」「ウクライナ問題についての累次の国連総会決議でのチュニジアの立場はロシア寄りとは言えない。2月初めのラブロフ外相の訪問が中止されたが、これはIMF支援を条件に欧米が圧力をかけた結果か?」、「TICAD8の成果を今後の日本・チュニジア関係の中でいかに生かしていくことが望ましいと思われるか?」、「同国とリビアとの2国間関係は、現在どのようなものか?」、「過去におけるアジアの金融危機とその克服への経過などから、現在チュニジアが学ぶことはないのだろうか?」などの質問が出されました。

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