フォーラム

第6回大使を囲む懇談会開催

  • 田中聡志 駐ジンバブエ大使を囲む懇談会
  • 6月30日午後国際文化会館において、田中聡志・駐ジンバブエ大使に同国の最近の事情を伺う会を開催しました(対面出席の他、オンライン参加も含める形で開催しました。参加者は、会員の法人企業等からの出席者13名、オンラインによる参加者11名)。

    田中大使より、同国の近況、内政・経済・経済協力などの状況について次の説明を行いました。
    先ず新型コロナの同国における状態であるが、昨年3月から政府はロックダウンを強行し、その後の蔓延状況は日本より少ない程度で推移していたが、年末年始にかけて南アにいたジンバブエ人が帰国するとともに、再度感染が拡大した。また、この頃には変異株の流入もあって全体的には状況が悪化した。そのため、一度は緩和されたロックダウンが今年1月以後再強化され、夜間外出禁止、レストランやスポーツ施設の閉鎖など、厳しい措置がとられたが、閣僚も4人ほどコロナで死亡するなど、深刻な状態が続いた。しかし、今年に入り4-5月以後、状況が緩和されて仕事もできるようになった。この間、ワクチン接種も励行されており、ワクチンは4種類あるが、ほとんどの人が2種類の中国製ワクチンを接種している。このような状況下で、同国は東京五輪・パラリンピックに陸上・ボート他の選手を数名派遣する方向で準備している。

    同国の概況であるが、もともと良好な気候を特徴とした農業国であり、またヴィクトリア滝などの観光資源や豊富な鉱物資源を有しており、識字率と国民の教育水準も高いことから、優秀な人材にも恵まれていた。2000年に建国の英雄であったムガベ前大統領が白人農場主の土地収用などを行ったことを契機に、経済は低迷している。同前大統領が2017年に退陣すると、公正な選挙、汚職撲滅、法律の整備などを唱えたムナンカグワ大統領による新政権が発足し、国内外で新しい国造りへの期待が高まった。しかし、その後大規模なデモやストライキの抑圧など、新政権の基本姿勢は前政権と変わらないという印象を国民に与えた。経済面では、土地改革を契機とした生産力低下と経済不況の中、深刻な財政と外貨不足にもかかわらず、政府は歳出拡大とジンバブエドルの発行を続けた結果、2008年にはハイパーインフレが発生。一旦収束するも、現在もマクロ経済の不安定な状態が続いている。このような中で2023年には、大統領選挙を迎える予定。他方欧米諸国は2000年以後の同国における政治的暴力、人権状況の悪化、土地改革による白人農家からの強制的な土地収用等を理由に「制裁」を開始した。現政権はこのような人権・ガバナンス問題及び延滞債務等によって影響を受けた国際社会との関係について、「関係構築・再構築」を目指している。

    同国は2030年までに中所得国になることを目指しているが、ビジネス面の課題は山積している。通貨の不安定性の他、銀行の仕組みや送金方法の頻繁な変更および手続き障害等により、かつて同国に拠点をおいていた多くの日本企業は数年前までにほぼ撤退した。なお、昨年までは干ばつが続いたが、今年は降雨状況が順調であり、良好な農業生産が見込まれる。日本は同国への経済制裁を行っておらず、2国間の経済協力を継続しており、「南北回廊北部区間道路改修(無償)プロジェクト」他の協力を行っている。外交面では、中国の存在感が大であり、同国はエネルギー、ワクチン、マスクなど多様な分野での支援を行っている。

    次いで法人企業等より、経済協力のプロジェクトで工事を行ったところ、最初に一応払い込み、後日返還する予定のVATの返還が当初予定より大幅に遅れており、工事が終わった今も、滞っている部分があるので大使館とJICAにご支援をお願いしたい(大使より、外相にも右を伝えているとの回答がありました)、91年に周辺国から訪問し、同国の農業の様子を見たが、その後白人の土地収用があったところ、現在の土地の状況(所有および生産)はどのようなものか、ハラレにはどのくらいの白人が残っているのか、同国に外国大使館は何か国くらい存在しているのか、今後の同国への経済協力の主な分野はどのようなものが考えられるか、新型コロナ蔓延の状況下で、手洗いの必要性から、例えば上水道整備計画などはどのような位置づけになっているのか、井戸やごみ処理も含めBHN案件はニーズが高いと思われる、23年に選挙が行われる予定と承知するが、選挙に向けて、現在の与党と野党の概況はどのようなものか、同国内でのベンチャー企業の育成やスタートアップの支援などはどうなっているか、新規ビジネスを育成する方向の政策があるのか、新型コロナ対策で医療機関は既に手一杯と思われるが、医療の他の分野の状況はどうなっているのか、外貨不足の状況は承知しているが、教育を受けた人材が欧米などに行って働き(ディアスポラ)、同国に送金するなどのことが、ある程度の規模としてなされるならば、外貨状況の改善に資すると思われるが、そのようなことがあるのか、同国の英連邦への復帰は可能性があるのか、などの質問が出されました。

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