フォーラム

第2回大使を囲む懇談会開催

  • 伊藤駐エチオピア大使を囲む懇談会
  • 4月21日、伊藤恭子駐エチオピア大使をお迎えして、同国の実情について伺う会を開催しました。今回は新型コロナ感染のリスクを最小限に留めるため、会場参加数を制限する一方オンラインで並行して開催する方法を行い、会場には18名、オンラインでは19名、合計37名のご参加がありました。

    伊藤大使より、現在のエチオピアは政治、経済、国際社会での役割において日本と同様の価値観を共有し協力できる「機会の窓」が開いているとして、まずエチオピアの政治情勢について説明がありました。

    アフリカで最古の独立国であり永く帝政を築いていたが、1974年軍事革命によりエチオピア帝国が終焉し、ソ連の支援を受けたメンギスツ社会主義政権が発足しエチオピア人民民主共和国が成立した。1991年ティグレ人民解放戦線(TPLF)やエリトリア人民解放戦線(EPLF)を中心としたエチオピア人民革命民主戦線(EPRDF)によりメンギスツ政権が倒れ、エチオピア連邦民主共和国が成立した。
    当初EPRDFの中心であったTPLFが政権の中心であったが、元来多民族国家であるエチオピアではティグレ人(約5%)は少数民族であるため、2018年に最大民族であるオロモ人(約40%)のアビィ首相が選任され人権尊重・民主化・女性閣僚の多用・経済民主化などを進め繁栄党を結成すると共に隣国エリトリアとの和解協定締結を行った。他方アビィ首相に反発したTPLFは離脱し、昨年11月にはティグライ州で軍事衝突が発生し、大規模な武力衝突は収まったものの、現在も政府軍による掃討作戦が続いている。
    2021年6月に初めての自由選挙として総選挙が実施される予定であるが、選挙前後の暴動の可能性が懸念されている。

    経済情勢としては、人口は1億1,200万人とナイジェリアに続くアフリカ第2位、GDPも959億米ドルで同第6位となっている。輸出はコーヒー・花など29.9億ドル、輸入は燃料・食料・輸送機器など138.8億ドルと大幅な入超(対日貿易は24億円の出超)、投資は約41億ドルで中国、サウジアラビア、トルコなどが上位を占めている。対外債務は約290億ドルとGDP比約27%と非常に高い。投資に関する課題は、外貨不足のため対外送金が厳しく、外資規制もあり投資範囲が限定されていること、労働者の質が悪く職業訓練強化の必要性があること、高い物流コストや電力・インターネットへのアクセスにも問題があるなど多いが、アビィ政権の下では外資導入、民営化の推進、エチオピア投資委員会を通じた投資家支援等に力を入れている。
    対外債務に関しては、IMFは債務持続性をハイリスクに格下げするなど厳しい環境にある、但しIMFによる支援プログラムに関しては、新型コロナの影響はあるものの数値目標をおおむね達成しており短期的には評価は高い。2019年の平価12%切り下げも評価しているなどIMFは支援体制にある。
    今後に向けて、2020/21-2029/30の10か年開発計画を策定し、民間企業の参画、持続的な経済成長と適切な雇用創出、生産性の増加等と共にSDGsを意識した強靭なグリーン経済の実現を目指している。2020年の経済成長率は2.1%であるがプラス、2021年度は8%を目標としている。マクロ的には年10%の成長率を目指すと共に、輸出構造の変革・歳入の大幅増加や各産業分野、特にインフラ分野での開発を目標としている。

    次いで会員企業等より、1.Great Ethiopia Damについて、2.今後の為替の動向、特に更なる平価切下げはあるか、3.アビィ首相のティグレ人への弾圧の状況、4.国連による人権調査の状況、5.新型コロナの影響は?ワクチンの接種状況、6.中国との距離感に変更はあるか?欧州・インド・日本への期待はあるか?7.北部での衝突は終息しつつあるのか?8.アビィ政権への支持率は?9.外貨状況は?10.完成車・中古車の輸入許可の可能性は?11.内戦はアビィ政権とTPLFだけの問題ではなく、中央集権か部族自治の問題もあるのではないか?12.ビジネスパートナーを選定する場合に宗教や民族の影響を考慮したほうが良いか?13.ODAは国か州政府のどちらと交渉するのが効率的か?など多数の質問が出され、同国への関心の高さが伺われました。

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