フォーラム

第1回大使を囲む懇談会開催

  • 堤駐南スーダン大使を囲む懇談会
  • 4月14日、堤尚広駐南スーダン大使をお迎えして、同国の実情について伺う会を開催しました。今回は新型コロナ感染のリスクを最小限に留めるため、協会として初めて大使を囲む懇談会をオンラインのみで行い、21名のご参加がありました。

    堤大使よりまず南スーダンの歴史と概況、政治情勢、経済情勢、日本の南スーダンへの政策と支援、スポーツ・文化等交流について説明がありました。

    元来“スーダン”とは古代エジプト人によると「黒人の国」という意味を持つ。当時はサハラ砂漠以南のアフリカ全体を意味した可能性もある。現在の南エジプトと北スーダン一帯のナイル川流域はヌビアと呼ばれ、北方の古代エジプトの影響を強く受けた。紀元前2200年頃南部から北上してきた黒人がこの地域にクシュ王国と呼ばれる王国を建国した。
    その後アラブ人勢力の侵入などを経て1899年に英国とエジプトの共同統治となった。当初は北部と南部が別々に統治されたが1946年には北スーダンの諸制度を標準とする南北の一体的統治が始まった。1956年のスーダン独立をはさみ、南部スーダンの自治を求める第一次スーダン内戦(1955年—1972年)、更には独立を求める第二次スーダン内戦(1983年-2005年)と続き、2011年7月に南スーダン共和国の独立につながった。宗教はキリスト教とアニミズムが主。公用語は英語、スーダン共和国の統治下にあった関係でアラビア語も使用される。
    主要産業は石油、農業・畜産業・林業・漁業。輸出の90%以上は石油。白ナイル川と大湿地帯を擁し、水資源は豊富。

    政治情勢では、独立後2013年、2016年に起こったキール大統領派と反政府マシャール派の争いが全土を巻き込む内戦に発展した。2018年9月、内戦を終結させるために締結された合意(R-ARCSS)に基づき、和平プロセスが進行中。既に中央政府として暫定統一政府が組織され、地方政府については10の州知事、3つの特別行政長官が任命された。現在副知事以下を組織中。今後、統一軍創設、国会、司法、憲法、選挙などの課題が山積している。スケジュールは大幅に遅れている。治安面では、現在両派の敵対行為は停止している一方、地方では共同体間の襲撃や家畜強奪など犯罪行為は勃発しおり、治安情勢は良くない。新型コロナ感染症については、現在新規感染者は少ないが、第三波の到来を警戒している。

    経済情勢としては、経済成長率-2.3%、物価上昇率33.1%。財政赤字拡大。歳入の9割以上を占める石油の国際価格下落、洪水、サバクトビバッタ被害などが原因。予算策定の遅れもあり公務員への給与未払いが常態化。IMFの緊急資金支援を2度にわたり受けている。一方石油、鉱物資源は豊富。肥沃な土壌・豊富な水資源など農水産業へのポテンシャルは高い。
    今後の課題としては石油収入の透明性、公共財政管理、歳入の多角化、金融セクターの脆弱性の解消などがある。

    日本は、積極的平和主義と人間の安全保障、東アフリカ地域の安定、二国間関係、地球規模問題における協力、といった考えに基づき、南スーダンを支援している。和平プロセスの支援としてUNMISSへの自衛隊員司令部要員、施設部隊を派遣、和平プロセスのモニタリングや国軍建設への支援を実施。国造り支援としてナイル架橋、ジュバ市内給水計画などの無償資金協力事業を実施中。更に、国際機関を通じた生活基盤構築、社会経済支援、更に緊急・人道支援として難民・国内避難民への支援を実施。スポーツ・文化による交流も日本の自治体の協力を得たりして実施。南スーダンでは、日本の印象は大変良好で、「真の友」と呼ばれている。

    次いで会員企業等より、1.治安状況の進展はどうか、2.対立勢力との武力闘争の状況、3.議会の成立目途は何時頃か?4.国内避難民の帰還の目途は?5.新型コロナの影響は?ワクチンの接種状況、6.大湿地帯を活用しての水田開発の可能性は?7.石油収入が不透明な原因はどこにあるか?8.中国の進出状況、9.現在の政治的なパワーシェアリングは安定しているのか?10.人々の暮らしはどうか?水・電力・ごみ処理など、11.部族同士での戦争があったが、国民に国への帰属意識はあるか?12.財政問題、特に債務の解消はどうなるか?
    などの質問が出されました。

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