フォーラム

第6回フォーラム
「TICAD VI 報告―民間セクターによる事業投資と人材育成」
日時: 2016年10月18日(火)14:00〜16:00
場所:国際文化会館 別館2階講堂
参加者:当協会会員、政・官関係者、在京大使館、研究者・学生など81名

司会:淺野昌宏 アフリカ協会副理事長
本日はご多忙の中、このアフリカ協会主催第6回ファーラムに御参照戴きまして、誠にありがとうございます。私は当協会の副理事長の淺野と申します。本日は宜しくお願い致します。本日のフォーラムは、先の8月27、28日のナイロビで開催されましたTICAD VIのフォローアップとして企画致しました。
本日、パネラーとしてお話戴きますのは、外務省アフリカ部長、丸山様、駐日ブルキナファソ大使、ウビダ大使閣下、経団連サブサハラ地域委員会委員長、加瀬様、のお三方でございます。お忙しい中、誠にありがとうございます。また本日は日本・AU友好議員連盟会長代行の三原朝彦先生にもご臨席戴くことになっております。後ほどいらっしゃると思いますので、その時点でまたご紹介させて戴きます。それでは開会にあたりまして、理事長の大島賢三よりご挨拶申し上げます。

挨拶:大島賢三 アフリカ協会理事長
本日は、皆さまご多忙のところ、お集まり戴きまして誠にありがとうございます。今回はアフリカ協会として、第6回目のフォーラムとなりますが、ナイロビで開催されたTICAD VIの報告会として、その中でも特に民間セクターと人材育成に焦点をあて議論を進めたいと思います。
今日はTICAD VIに直接現地で関わられたキーパーソンズ3名の方に、パネリストとしてご参加戴き大変にありがたく思っております。丸山アフリカ部長は、政府全体の立場から取りまとめに当たられ、経団連の加瀬サブサハラ委員長は、経団連会長と共に、同行した多くのビジネス代表者全体を取りまとめられ、フランソワ・ウビダ・ブルキナファソ大使は、アフリカ外交団のTICAD委員長として会議に参加されました。従いまして、現地で直接ご経験なさったことについて、いろいろな興味深いお話が伺えるものと思います。次回のTICAD VIIは日本で開催され、しかも3年後に控えているわけで、この見通しについてもお話を伺えれば幸いでございます。
それから皆様方ご承知のことと思いますが、私共アフリカ協会とアフリカ開発協会協同で、TICADセンターを作ってはどうかという提言をさせて戴きました。加えて日本とアフリカの協力を、TICADを通じて促進するための何らかのファンドを作ってはどうかと提言を致しましたが、これについての今後の見通し、計画などについてもお話を伺えれば幸いでございます。

司会
それではフォーラムに入ります。本日のモデレーターは、当協会理事で早稲田大学国際学術院教授の片岡貞治が務めます。片岡先生、よろしくお願い致します。

モデレーター:片岡貞治 早稲田大学国際学術院教授
私もTICAD VIに参加致しましたが、内部の話とか政府の話は、外務省の丸山アフリカ部長が詳しく話されると思いますので、外部から見た様々な印象を、お話した上でパネラーの方に引き継ぎたいと考えます。たまたまですがウビダ大使とは、現地で宿舎が一緒で、帰りのフライトも一緒で、またここでも一緒ということで、奇縁を感じております。
さてTICAD VIで、非常意義深いと思ったのは、アウェーのアフリカで開催したということと、そしてケニアとの共催であったということの意味がすごく大きいと思いました。もちろんTICAD IVもVも大変なイベントでした。TICAD IVは一つのターニングポイントであり、それまでの経済協力を中心とした日・アフリカ関係から脱却して、貿易投資に関する議論を始めたからです。民間セクターが入り込んだターニングポイントがTICAD IVでありました。5年後のTICAD Vでは、初めて全体会合の中でアフリカとの貿易・投資の議論がセットされ、TICAD IVを更に強化する形となりました。それから3年が経過して、更にコンファームされたのが今回なのです。印象深かったのが、アフリカで開催したことであり、特にアフリカ大陸で日本の一番重要なアドバンテージである質の高さを示せたことです。日本は言わば高品質の中型国家なのですが、必ずしも大国ではないが、高品質のものやサービスを提供できる極めて質の高い国であり、その部分が喧伝され、それに対してアフリカ諸国もそれを評価していました。その部分で民間セクターとの繋がりに広がったことも有意義であったと思います。
横浜とか東京で開催するよりも、ナイロビまで出向いて開催したことによって日本のプレゼンスをさらに強めたのではないかと思っております。それから日本が好んで使う3本柱で今後の対アフリカ政策を見事にまとめたのも効果的であったかと思います。より詳しいお話は、これからキーノート・スピーカーの3人の方に行って戴きます。では、外務省の丸山則夫部長、よろしくお願い致します。

パネラー:丸山則夫 外務省アフリカ部長
アフリカ開発会議は今回で6回目。初めてアフリカで実施されました。今まで5年に1回だったのを3年に1回として頻度を高め、これからはアフリカと日本とで交互に開催することとなり、ある意味非常に新しいTICADだったと思います。しかも我々の方としては、3年前の公約である、5年計画の横浜宣言、横浜行動計画を実施しながら、新しいアフリカ開発会議を行うということで、最初の段階では、どうしたものかと、皆で思案しました。共催の会議なので、日本政府のみならず、他の共催者とも議論を重ねました。先ほど片岡先生から、三本柱の話がありましたが、三本柱はこうした思案の中から自然と出て来たものです。2013年のTICAD Vの時と、TICAD VI開催の2016年を比べると、何が違うのか、その違いに議論を集中させるべきではないか,ということが共催者のコンセンサスとなりました。比較すると、三つ違ったことが出て来たわけです。それらは恐らく2013年当時には、なかった問題だと思います。
一つ目は、国際資源価格の下落。2013年6月当時を、思い出してみてください。資源価格が今よりも相当高く、アフリカの,特に資源国が我が世の春のような状況でした。「日本も乗り遅れてはいけない」、「アフリカの成長を日本に取り込め。そのためのTICADだ」という雰囲気だったような気が致します。ところが、あっという間にこの資源価格が下落した結果、そういった国々は大変な問題を抱えるようになってしまった。これが一つ目の課題。
二つ目は、エボラ出血熱。これも2013年当時は全く考えてもいなかったことだと思います。エボラという言葉は、ご出席の皆様は、2013年当時、ご存じだったでしょうか。アフリカ協会会員の皆様であれば、コンゴ民主共和国にも行かれる方もあるので、あるいは既にご存じでいらっしゃったかもしれませんが、一般の方々におかれては,エボラ出血熱を知っておられた方はほとんどいらっしゃらなかったのではないでしょうか。ただ、それがアフリカに与えた影響はとても大きかったと思います。保健システムがズタズタだったことが露呈されてしまいました。これが二つ目。
三つ目は、暴力的過激主義ISILの影響、それに影響を受けた者たちの活動。こういったことは2013年の半ばには考えてもみなかったことです。もちろん、ボコ・ハラムだとかアル・シャバーブだとか、アフリカにも過激派組織は存在しました。しかし今と同じような形で、暴力的過激主義として捉えられたことはありませんでした。これにどう対応するのか。これが、アフリカが直面した三つ目の課題でした。
結局TICAD VIは、TICAD Vを開催した時にはアフリカが直面していなかった三つの課題に対して、TICADに参加するメンバー、すなわち日本を始めとした国際社会のパートナーがどう対応するかを議論するべき機会とすべきではないかということになり、そして三本柱は、これら三つの課題に対する処方箋ということになりました。国際資源価格の下落の結果、経済を資源だけに頼っていた国は大変なことになったわけですけれども、その処方箋は何かといえば、それは経済の多角化、そして産業化です。かくしてTICAD VIの第一の柱は、経済の多角化と産業化になりました。エボラ出血熱が見せたズタズタだった保健システムの状況への対応は保健システムの再建です。従って保健にフォーカスを当てる、保健が二番目の柱になりました。そして暴力的過激主義にはどう対応するか。TICADは開発を議論する場であって、テロ対策会議ではありません。そうであれば、開発のツールで何ができるのか。テロの根源的問題にどう対応するのか。そういったことを議論すべきではないか。問題は何か。若者の失業。女性のエンパワーメント不足。どうすればいいか。検討の結果、我々が出した答えが、社会の安定化です。社会が安定化しないことには話にならない。職業訓練をもっとやろう。若い人たちにもっと明るい展望を与えられるようにしよう。三本目の柱は社会の安定化ということになりました。
さらにもう一つ、今回のアフリカ開発会議で実現しようとしたことがあります。先ほどもアフリカで開催したので非常に効果があった、ということを片岡先生からご指摘がありましたけれど、我々が狙っていたのもそこで、初めてアフリカでやる以上は、日本が開催するTICADがより明確にメッセージを発信する場としたい、ということです。私は当初から、「いかに日本らしさを発揮するか」ということを、様々な場で申し上げてきたのですけれども、その具体化が一番重要だったと思っています。そのためには何が必要なのか、日本の持っている強みとは何か、そういうことを考えた結果出て来たことは、まずは「質の高さ」です。質の高い技術、質の高いものを提供することができるのは日本の強みであろうと。次にこれまでの蓄積である人材育成。日本はアフリカに対してはいろいろな支援をやってきましたけれども、最初に始めたのは技術協力。全ては技術協力から始まったと思っています。技術協力というのは、要するに人を出して、人を育てることです。質の高い技術と人材育成、これが日本の強みであり、これを前面に出す。そうすると、出てきた結論は意外と単純で、政府だけではできない。様々な方々のご協力を仰ぐ必要がある。TICAD VIを成功させるためには民間との二人三脚が不可欠であることが明確になったわけです。TICAD VIの一番目の柱、二番目の柱、三番目の柱の全てにおいて、日本の民間企業は課題に対する答えを既に出しています。これをアフリカの場で、アフリカの首脳に、アフリカのメディアに、参加される方々、見ている方々にアピールしていく。それが日本らしさの発揮なのだということが、共催者の間でも早々と結論が出ました。これはまたアフリカの求めていることでもあります。TICAD IVから変わってきた潮流というのは、開発よりも貿易投資。日本の企業はもっともっとアフリカに向いてほしい。もっと日本の企業にアフリカを見て欲しい。アフリカに来て欲しい。その要望が高まっている中で、TICADという枠組みに求められているものも、民間企業の参加です。
こうした時代の-2013年と2016年の-違い。アフリカの置かれている環境の違い。日本らしさを発揮しなければならないという、アフリカ開催の使命ということを考えた時に、必然的に今回のTICADはビジネスdrivenになるなと思いました。その矢先と言いますか、外務省が音頭を取り、TICAD Vのフォローアップのために官民で議論をするための枠組みが発足しました。官民円卓会議です。経団連の企業の方々、それから経済同友会の方々にご参加戴き、議論を重ねようということで、スタートさせました。ところが、当初はフォローアップということだったのですが、TICADの開催が五年周期から三年周期に変わり、次回TICADも2016年に決まったことから、フォローアップということよりも、TICAD VIに向けて、官民で何ができるのかを議論する場として、提言を作って戴こうということになりました。それ以来、お隣にいらっしゃいます加瀬会長とは、少なくとも二か月に一回のペースで、非常に濃密な議論をさせて戴きました。その結果、今回のTICADで、民間企業がどういうことを提言できるか、どういうことを披露できるか、どういう問題点を抱えているということを伝えるかということについて、おおまかな共通の認識ができました。この準備を半年以上かけて行ったというのが、今回ビジネスdrivenのTICADを成功に導くことができた、一つの大きな要因だったと思っています。
この関連で、政府の役割は明確です。どうすれば民間企業の投資・進出をサポートすることができるか、です。この問題意識はTICAD VIの前から、総理官邸にはあって、総理がアフリカに訪問された2014年の3月に官邸にアフリカ経済戦略会議が設置されました。この会議は議長である官房副長官の下に全ての関係する省庁の次官級が集まり、民間企業の進出を促進するために、政府はいかなる施策を取ることができるかを議論してきました。TICAD VIが2016年の夏だということが決まるや否や、戦略会議の方も、ターゲットをTICAD VIに向け、十回位でしょうか、どうすれば民間企業の方々に出て来やすい環境を作れるか、リスクを下げるために何をすべきか、ということを議論しました。施策のいくつかは、今回のTICADの貢献策にも反映されています。このような事前の準備を官民あげて相当できたということと、それから今回のアフリカ開発会議で何をすべきか、ということについて、関係する方々の中で共通認識が早々とできていたこと、それが今回TICAD VIが円滑に行われた一番の原因ではなかったかなと思っています。そのためには、政府-外務省のみならず、関係省庁-民間企業、それぞれが、何をすればいいのかということを、はっきりとさせた上で、とにかく今回は「可視化」。ビジビリティーを高める。それと「具体化」。物事を見えるようにする。そして具体的に進めていく。この二つを合い言葉に進めていこうということになりました。その結果として、例えは、これまでTICADの本会合あるいは分科会の場ではなかなか発言する機会のなかった民間企業の代表の方に、今回は大いに発言して戴いて、その存在を示して戴きました。TICAD VIでは分科会が三つ行われ、それぞれ確か十程度の企業の代表の方にお話を戴きました。加瀬会長には本会合の場で、ご発言戴きました。本会合では経団連会長、サブサハラ委員会の二人の委員長、経済同友会のアフリカ委員長、皆さんにご発言戴きました。これが非常に大きな効果があったことは申すまでもありません。また,サイドイベントとしてJETRO主催のジャパン・フェア、ビジネス・カンファレンスもあり、結局TICAD VIに参加した企業は、総理に同行したのが77社、それ以外も含めると200社以上。日本人だけでも3,000人以上がその場にいました。それが、今回のTICADです。その日本人の、いわば「見える化」力、それを使って、ビジネス・カンファレンス-とても良い議論ができました-その間に一つ式典-我々は「MOU式典」と呼んでます-を行いました。20近くの企業が今回のTICADの為に何らかのMOUを結んでそれを披露する、そうした場を設けました。計73本のMOUがこのTICADの際に結ばれました。これは非常に強いメッセージとなり、アフリカのいろんなメディアが取り上げてくれました。日本の民間企業がやってきてMOUを70本以上結んだというのは、大きなニュースとして流れたことは確かです。また、JETROで音頭を取って戴いたジャパン・フェア。これも7,000人近く集めました。後から聞いて驚いたのですが、商談数が1,500を超えていた、しかも既に何百も成立したそうです。非常に大きな「可視化」と「具体化」を具現したイベントではなかったかと思っています。
日本政府も大きなコミットメントを致しました。官民合わせて、未来への投資として、三年間で300億ドルの投資をする。そのうちの100億ドルがインフラ関連。質の高いインフラをやる,ということです。このメッセージは非常に強みがあります。それから人材育成。三年間であらゆる人材育成を行っていこうということです。産業人材育成、あるいは保健分野での人材育成、職業訓練を通して行うものなど、多々あります。こういったものを含めて、日本の人材育成の効果として裨益する人々1,000万人、これを三年間で実現するという数値目標も立てました。これらをこれからしっかりとやっていかなければならないということです。
さらにいくつか申し上げます。一つは評価。もう一か月半も経ちますので、いろんなところからTICAD VIに対する評価が聞こえてきますが、異口同音に聞こえて来るのは、今回のTICADが良かった原因としては、民間のプレゼンスがすごかったという点。これは例外なく,いろんなところから聞こえてきます。特に最近では多くの国が、アフリカ全体との協議を行っていることから、よく比較されますが、この比較においても、日本のTICADは群を抜いていると言われています。特に今回はその理由の一つとして、民間のプレゼンスをあげている方が非常に多かった。それから、具体的な成果というものが日本の場合はすぐ出てきているのも、評価が高い理由と聞いております。また,日本が前面に出した「質の高さ」は、アフリカのマスコミが大変評価した点であり、「日本のコミットメントは、同じ額であっても質の高さが全然違う」、「質の高いものを提供してくれる優位は揺らぎない」と言う評価です。この関連で、余談になりますけれども、補足します。昨年の12月には中国がFOCACという中国とアフリカ諸国の会合を開き、そこでは何と三年間で600億ドルをアフリカに投資するということを表明したわけです。今回、日本は数字では300億ドルなのですが、報道を見てみると、面白い論調が出ています。中国は600億ドル、日本は300億ドルといった非常に大きな投資がこれから行われる、日本の投資は質が高い。質の高い投資が300億ドル。かつ日本は言ったことは必ず実行する。この300億は必ず使える,とした後で締め括っているのは、「日本の優位に揺らぎはない」。そういう言い方がされていることに、私は心強く感じました。そのようなことがあると、参加された元首の方々も国に帰って参加したことについて,自慢して戴けるわけです。私がびっくりしたのは、南アフリカ・ズマ大統領の発言。ズマ大統領はTICADから帰ってからの国会での質疑応答の時に、TICAD VI のことを取り上げて、20分間にもわたってこのTICAD VIについて話をされました。大使館からの報告によると、かつて南アフリカの国民議会で日本をテーマに、20分以上も質疑応答が行われたことは、これまでにはなかったそうです。如何に日本のアフリカに対する貢献が素晴らしいか、いかにTICAD VIがよかったか、如何に自分は期待しているか、だから自分は行って良かっただろうと。そのように大統領が自らTICADを効果的にPRして戴いているということで、私は非常に心強く感じた次第です。これは一例です。こういった話は、枚挙に暇はありません。いろんなところで起こっていることです。
ここでもう一つ申し上げたいのは、TICAD VとTICAD VIの違いは、5年周期だったTICADが、TICAD VI以降は三年周期になるということで、その違いは非常に大きなものがあるということです。今までは、TICADが終わるとやれやれということで、やれやれの期間があったのですが、今はもうありません。開催されて一ヶ月半経って、次回のTICAD のことがこれだけたくさん聞こえて来るということは、TICADのこれまでの経験ではありません。今まではTICADが終わって次のTICADのことが出てくるのは、数年経ってからだったと思います。今やもう終わった瞬間に、いや,終わる前からもVIIと言われております。私の方では今はもうVIIIの話までしており、次回アフリカでやる時にはどう考えるか、もうTICAD VIIIが頭の中に入っています。このように、フォローアップはもちろんですが、さらにその次も同時にやっていかなければいけないというのが、TICADが3年周期になったことに伴う大きな変化です。
さらにもう一言。TICADとTICADの間に、三年間隔で「日本アフリカ官民経済フォーラム」を実施することを総理が発表されました。これは、2019年がTICADですから2017年か2018年のいずれかに、官民で「日本アフリカ官民経済フォーラム」を行うということになるわけで、もう一つ大きなイベントが出て来た、ということになります。そのフォローアップに向けて、我々は今いろいろとやっています。
また、TICAD VIのフォローアップの関連で申し上げると、300億ドルの公約の実施は既に始まっています。食糧援助の分野では、10月の段階で、既にモーリタニアとベナンと書簡を交換致しました。無償資金供与では、上水道絡みでスーダン、経済社会開発でエチオピア。これからは、今までパイプの中に入っていたものが、具体化していくプロセスが始まると思います。11月にナイジェリアのラゴスで行われる国際見本市では、JETROがジャパン・パビリオンを出して参加するということで、ナイロビでやったことと同じようなことを、今度は西のラゴスで行います。そして、パートナー国との協力もあります。パートナー国の企業と一緒に進出する機運を高めようということで、日仏が共同で主催したサイドイベントのフォローアップが11月にパリの商工会議所で行われます。フランス企業とMOUを結んだ日本の企業も参加し、経験談をシェアしながら更にパートナーを見つけて来るのではと思っていて、相当な期待をしています。私も参加する予定です。
それから大島理事長のご発言にあった「TICADセンター」と、そのための「基金」ですが、「TICADセンター」については、アイディア-ご提言-を戴いて、その機能をAUに日本政府代表部を置くということで果たせないか、今真剣に検討しているところです。国会で承認され、予算が付けば2018年からAU日本政府代表部が出来ることになります。そこが間違いなくTICADセンターの機能を果たしていくということになろうかと思います。そのための予算についても、恐らく最初は補正予算で整備、ということとなろうかと思います。
ちなみに2017年、来年の1月にはモーリシャスに大使館が開設されます。我々の拠点であると同時に、民間の皆様方の拠点としても多いに活用ができるのではないかと思います。アフリカ進出リスクを考えた時に、治安とか、衛生などでご懸念があるかと思います。モーリシャスは、アフリカではあるけれども、インフラ基盤は整備されており、その意味での敷居は低い地域であり、またその戦略的な位置付けからしても、非常に重要です。インド洋にあって、かつSADCのメンバー国として南アフリカと同じ関税同盟の中に入っており、金融市場のセンターとしても発展しようとしていることを考えた時に、そこに大使館ができるということは、アフリカ進出の懸念を緩和する要因となるのではないかと思っています。
こうして見てみますと、2017年も盛りだくさんで、2018、2019年もあっという間に来てしまいます。来年は、今申し上げたモーリシャスの大使館も立ち上がっており、また官民で様々なミッションが出ていることでしょう。そしてAUの首脳会議もあります。あっという間に2017年が終わって2018年になります。そして2017年か2018年のいずれかには、先ほど申し上げた経済フォーラムもあります。2019年もすぐ目の前にあると思います。そういったことで、今回のビジネスdrivenのTICAD VIは日本のプレゼンスを示す意味で非常に大きな効果を上げるとともに、また非常に大きな期待を日アフリカ協力に与えたのではないか-期待というのは新しい展望という意味でもあるのですが-これを我々はしっかりとキープしながらフォローアップして、来たるTICAD VIIの時にさらに開花させるということをやっていければいけないと思っています。
最後になりましたけれども、ご出席のウビダ大使は、TICADの準備をする時のアフリカ外交団(ADC)の取りまとめをされておりまして、本当に私が着任して以来ほぼ毎週必ずどこかで会っているという、そういう間柄であります。今回のTICADが成功したのも、在京のアフリカの大使の皆様の献身的と言えるまでのご協力があったからだと思っています。本国、あるいはAU本部との間で、難しい局面がなかったわけではありませんが、その時も大使の皆様が率先して、その間に立って、我々のこのTICADを成功に向けるために全力を尽くして戴きました。そのことを、ぜひ今日は皆様にもお伝えしたいと思っています。そのADCへの感謝の表明をもちまして、私の方からのプレゼンテーションを終わらせて戴きたいと思います。

モデレーター:片岡
丸山部長、ありがとうございました。TICAD VIが投げかけたものと言いますか、もたらしたものに関する行政府および官邸の真摯なコミットメントに関し、裏話を交えて外務省側の長として、非常に大事な詳細を説明して戴きありがとうございます。しかも、今やTICAD VIIに関して動き始めていて、ましてやTICAD VIII 2022年の会議まで視野に入れているとのお話でした。三年毎に開催すると言う新たなサイクルの方がより現実に即しているのかなと思っております。
さて引き続き、二番目のキーノート・スピーカー、駐日のブルキナファソ大使、フランソワ・ウビダ大使によるご発表でございます。

パネラー:フランソワ・ウビダ 駐日ブルキナファッソ大使
Thank you very much. Let me convey my thanks to Ohshima-san and to ASJ and to all the participants for giving me this opportunity to be standing here and addressing you on this very important issue. Ambassador Maruyama, when you speak, you leave nothing for others to speak. You did say everything, and you did it very well. So I will just try to add few things, because of time constrains I had a document here, but it looks  too lengthy, I don’t know how useful it is now but I will speak to you on the perspective of African diplomatic corps in Tokyo, how we evaluate TICAD VI, how we see the way forward for the implementation process. And ambassador Maruyama mentioned that we have been left with no time for TICAD VII because we are one foot at the door step. Ok, going to Nairobi, before we go to Nairobi, we have really been engaged.
Let’s say that at the time we were going to prepare for Nairobi, we had only one thing in mind: TICAD VI should be concrete, action oriented. Because we have gone through five TICADs, we have spoken a lot and have written as much as we can. So there is nothing else to speak, nothing else to write. Now time is for action. This was what we were thinking, at the time we were preparing for TICAD VI.
So as a group we have prepared TICAD VI. We have evaluated at the outset how far TICAD V was implemented. Based on that, we have made recommendations. We have discussed these recommendations with MOFA, with Keizai-doyukai, Keidanren, JICA, and all Japanese stakeholders to make sure that we speak as one and we set up the same objective for Nairobi. This was very important because it is about partnership.
This is one. Second, you are aware that Africa has adopted agenda 2063 and the priority program of agenda 2063 was about the transformation of African economy through diversification and industrialization. And we had to bear it in mind at the time we were preparing.
Based on that, our recommendation was that we take action that will enable us to really implement the partnership we have been pushing for many years between Japanese corporates and African business people. This was the key objective for us at the time we were going to Nairobi. How really we could get it done this time after Nairobi.
Upon return from Nairobi the group has many times met to evaluate the outcome of Nairobi. I can share it with you today we are fully happy, we are very happy of the achievement of TICAD not only on the organizational matter but on the result. We really praised Abe Shinzo for the pledges he has made. I think that at the political level, our expectations were met.
He has engaged Japan for quality Africa, it is what we are pushing for, resilient Africa, we have been pushing also for that, and stable Africa. All together this we can make it and go really forward. The details regarding training human resources, how to strengthen the youth employment, I think all these decisions from political side are very welcomed from the African group.
We were also impressed by how the private sector has got engaged in the preparation and also in the implementation, in the delivery of TICAD VI. The fair and the forum organized by offices of JETRO with the participation of more than 100 Japanese companies were really unique for Africa and we are very happy of the achievement.
Now the issue is how to implement all these good news. As a group we have been engaging the Japanese stakeholders because we still think that we have to come up with the common initiative we can carry out together, in the way of the implementation not only the sector of stable Africa, quality Africa but also resilient Africa.
In the days and weeks to come we will be sitting down with Japanese stakeholders like Keizai-doyukai, we will go to JETRO, so we can really engage and see what we can do together. We had already had meeting with MOFA. We are very thankful to ambassador Maruyama for that, we will go for JICA. So at the end of the day we would like to see what are the perspectives from the Japanese side, what Africa can do to really push it successfully.
There are some challenges maybe we should look at how to address it. We have the impression at the time of the preparation that sometimes there is not a clear understanding on what Africa really wants, and when we speak about investment. We got the impression that when some corporations speak about investment, they are speaking about ODA, where the Japanese government will come in with money, they just implement projects and they come back. We are not speaking about that. ODA is ODA. Even though we are standing ready that ODA can be used for investment to help Japanese and African companies really to invest in view to create jobs, employment, to bring Africa on sustainable field of economic growth. This is what we really want to see.
We understand how the risk issue can impact on the decision of the corporates. In that way we are saying that maybe we should help African side to make the investment and get into partnership for technical assistance, technology with Japanese companies. This will reduce the risk because they will not go with their money. The money would be already in Africa invested, and Japanese companies will come forth with technology. This can be the way forward to really to strengthen the partnership, rather build the partnership and pave the way for partnership to make sure that within 10 years to come, we are really at the level we really want. Because what we are having in mind is that TICAD should not last forever. If we go to TICAD X, and we are still in the current situation, it means that we have failed. So we really have an opportunity now to push for sustainable economy in Africa, we have to take advantage of the Japanese pledges, the availability of Japanese private sector to make it really happen on the ground.
As African group we appeal to your collaboration, we will be standing with you hand in hand with open-mindedness, we rely on dialogue and we think that as far as we speak together, we can make it happen together. We support some of the initiatives Mr. ambassador Ohshima mentioned, we have to take some action like creating a center for information, to help and provide information to the companies. We have to strengthen or establish financing mechanisms to make sure that the SMEs get access to financing from African and from Japanese side. It is the way forward we have as our perspective in this period.
And concluding, let me say that as Africans we consider that maybe TICAD VII should return to Yokohama, this is the capital city of Africa in Japan. I say that because Yokohama Government has been very active during TICAD IV and TICAD V, many projects have been established. As embassy of Burkina Faso we are still running projects with them. We really praise initiative of the mayor on the promotion of the African business women entrepreneurship, and it is our expectation that maybe at the time Japanese side will make the decision this can help go back to Yokohama, where most of our presidents and prime ministers know very well. Arigato Gozaimashita.

モデレーター:片岡
ウビダ大使、大変ありがとうございました。ウビダ大使の方からは、ADC、African Diplomatic Corps Tokyoというのがあるのですが、在京アフリカ外交団のTICAD担当としてその準備をしてきたお話、それから日本政府と一緒になって、先ほど丸山部長からもお話があったように、様々なプログラムを具体化していくというお話があり、最後に、AUが2015年にアジェンダ2063を採択し、これに関する政策提言があったのですが、これを真っ先に支持したのが日本政府で、他の国はまだ表向きには支援というのは打ち出していないですね。その部分を強調されたのが非常に印象的でありました。最後は横浜での実現はまだ決まっていないのですけれども、それに言及されたのも、非常に好ましいお話だったかと思います。

さてそれでは三番目の最後のキーノート・スピーカー、民間セクターを代表して、経団連サブサハラ地域委員会委員長であり、双日株式会社会長の加瀬豊会長よりお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。

パネラー:加瀬豊 経団連サブサハラ地域委員会委員長
TICADについては、大方、丸山部長がお話しされましたので、私は経済界の立場から、我が国経済界のアフリカに関する視点、TICAD Vからのビジネス環境の変化、TICAD VIでアフリカ側にお伝えしてきた内容、そしてTICAD VIに関する個人的な感想の4点につき、ご報告させて戴ければと思います。
ご案内の通り、アフリカは豊かな天然資源を背景に高い経済成長を実現するとともに、人口が10億人を超え、中間所得層も拡大するなど、世界から注目される魅力あふれる巨大な消費市場が形成されつつあります。
私ども日本企業は、長年アフリカの秘める可能性に注目し、経済発展のパートナーとして、アフリカ各国でビジネスを展開しており、現在、日本企業はアフリカ各国で400を超える拠点を構えて、様々な事業を行っております。2013年6月横浜でTICAD Vが開催された当時と現在を比較すると、先ほど丸山部長からもお話がありましたけれども、アフリカにおけるビジネス環境には大きな変化が生じているといえます。すなわち、原油を始めとする国際的な資源価格の下落により、アンゴラ、ナイジェリア、そして南アフリカなどの資源国の経済が低迷し、通貨の下落や内需にも影響を及ぼしております。その他にもエボラ感染症の流行や暴力主義の発生による治安悪化など、TICAD V以降、民間企業がアフリカでビジネスを行う上で大きな影響を及ぼしかねない様々な出来事が発生いたしました。企業は治安情勢に敏感であり、治安の悪い国には進出しないという大原則があります。
TICAD V時には、資源価格の高騰を背景に、アフリカの皆さんは自信に満ち溢れ、企業に対して、これからは援助でなく投資です、アフリカで投資をしてください、との声が大勢でした。TICAD Vでは、「援助から投資へ」が一つのキーワードであり、援助中心であったそれまでのTICADから、民間企業主体、ビジネスを主体とした取組みに、大きく舵を切った象徴的なTICADであったと言えるでしょう。NEPADのマヤキ長官が私に向かって、投資をするなら今だ、と大きな声を張り上げて言ったのが、記憶に残っております。
ではTICAD VIでは何をキーワードにすべきか、今回先ほど丸山部長から言われたように、三つの課題を解決しようと、官民円卓会議の議論がスタートしたわけですが、ビジネス環境が変化したからと言って、TICAD Vでビジネスを主体に据えた路線から再び援助に軸足を戻すことは、現状から大きく後退することにもなりかねず、だからと言って、アフリカ諸国が置かれている現状にも目を向ける必要があることから、官民円卓会議の参加者で話し合った結果、最終的に「援助も投資も」をキーワードとして、援助と投資の両立を目指した戦略を作成することが決定した次第です。さらに官民円卓会議ではアフリカのオーナーシップを強化していくために何が必要なのかという点についても議論が交わされ、先ほどお話がありましたけれど、オーナーシップの強化には産業構造の多角化が必要であり、そのためには産業の基盤となるインフラ整備や食料の自給率を高めるための農業強化、人材育成に注力すべきである、という意見が官民円卓会議における提言として採択されました。
今次TICADで民間企業にとって特筆すべき点は、TICADの全体会議並びに分科会にて我々民間企業の代表者にスピーチの機会が与えられたということです。ここにおられる丸山部長のご尽力に感謝してもしきれないということですが、TICAD Vまでは官民と言っても、民の方はほとんどオブザーバー的で、会議の外におりました。このTICAD VIから中に入ったことは、非常に画期的な点であると言えると思います。これにより官民連携がより実質を伴ったものになったというのが私の実感です。
こうした点を背景に、私はTICAD VIの二日目の全体会合、民間との対話のセッションにおいて、経団連の榊原会長、経団連のサブサハラ委員長を一緒に努めておりますコマツの野路会長と一緒に登壇し、経済界としては今後とも我が国政府と連携しつつ、農業の強化、質の高いインフラ整備、人材育成の面で、アフリカの発展に協力していく旨を、直接アフリカ各国の皆様に申し上げました。
まず農業につきましては、国民に食料を供給するという、極めて重要な役割を担うと共に、アフリカの経済活動の50パーセントを占める主要産業であり、その発展は国作りの基本であること、そして農業の生産性向上に続いて、農家の収入、生活力の向上を図ると共に、加工や流通を含めたフード・バリュー・チェーンの構築を進め、付加価値の高い産業として育てていくことが大切であることを申し上げました。その上で我が国は、湿潤温暖な気候のもと、農水産業、食品産業を発展させてきたことから、日本企業は資材を含めた農業技術のみならず、農産物の加工、輸送、保存、販売など、様々な面においてノウハウを持っており、これらを活用して、アフリカの農業強化に貢献していきたいと申し上げました。TICAD Vでも農業の強化ということをあげたわけですが、残念ながらフォローアップ評価ではバツとせざるを得ず、VIIまでに、さらに進めていきたいと考えているわけです。
続いて電力、水、輸送、と言ったハード・インフラにつきましては、質の高いインフラ構築を進め、アフリカの人々の生活の質の向上や、経済発展の基盤作りに貢献していきたいと申し上げたうえで、とりわけ経済社会活動の基盤である電力につきましては、我が国は高効率かつクリーンな石炭化学や天然ガスの火力発電、地熱や風力などの再生エネルギー、スマートグリッド技術など、幅広い最先端の技術を有しており、多様で豊富なエネルギー資源を有するアフリカ各国の実情に即した貢献が可能である旨、強調させて戴きました。
電力以外にも、日本企業は、資源エネルギー開発、海洋開発、土地開発、都市交通、貨物鉄道、海水淡水化や、上下水処理、廃棄物処理、リサイクルなど、多様なインフラについて高い技術力と信頼性で実績を積み重ね、世界中から高い評価を得ているとした上で、とりわけ日本企業は設備等の販売のみならず、メンテナンスなどの管理運営、人材育成や、ITの利活用等を組み合わせた、いわゆるパッケージ・インフラの整備を得意としていることから、今後とも日本企業はこうした質の高いインフラ整備に向けて持てる技術、ノウハウ、人材、資金を結集して、協力していく旨をお伝えしました。
続いて人材育成については、日本企業はアフリカで雇用する30万を超える従業員のOJTや日本での研修に加え、パートナー企業の人材への教育研修、さらには、ABEイニシアティブで来日される留学生への実習やインターンシップの受け入れなど、多様な方法によって、アフリカの人材育成に力を注いできた旨を紹介し、日本企業はこれからも引き続き、若く意力あふれる若者が、将来のアフリカを担う高いスキルと能力を備えた人材となるよう、貢献していきたいと申し上げました。長期的な視点に立つ、日本型経営を少しでも習得したアフリカ人材を育てることは、将来のアフリカ各国と日本の密接な関係を気づいていく上で、重要な役割を果たしていくことと思っております。
ABEイニシアティブ自体は、TICAD Vにて採択された人材プログラムですが、修士課程を取得するために、2013年から5年間で1,000名のアフリカ人留学生を日本で教育するというプログラムです。去る9月7日、ABEイニシアティブの第三バッチ、348名のアフリカの方々の激励会がJICA主催で行われ、私も、日AU議連の三原先生とともに参加してきましたが、アフリカ各国から日本に来日した方々は、若くインテリジェンスに溢れ、かつ非常にエネルギッシュで、彼ら彼女らが技術的にも精神的にもアフリカ経済の成長を力強く牽引していくものと確信いたしました。
このABEイニシアティブについては、多くの企業でインターンの受け入れを実施して戴いておりますが、わが社でも今年8月にケニアと南アフリカのインターン生を受け入れました。日本で教育を受けた人材を雇用に繋げるべく、企業側も有効に活用していくことが重要ではないかと考えております。
そして、これらの協力を推進して日本とアフリカの経済関係を一層緊密にして行くためには、自由で安定した企業活動ができるビジネス環境整備が必要であり、何よりも平和と治安の安定が重要だと思っております。また貿易投資の促進に向けた質の高い投資協定、経済連携協定の締結促進や、品質やライフサイクルコストを考慮した入札制度の整備などを進めて戴くよう、アフリカ側にはお願いをいたしました。これらの発言に対し、アフリカ首脳、アフリカ経済界代表からは、日本企業の取り組みに対する高い評価と、さらなる投資促進への期待が述べられると共に、そのためのビジネス環境の整備については、引き続き努力していきたいとの決意表明がありました。
さてTICAD VIに参加しての私の感想ですが、ナイロビで開催されたTICAD VIに民間企業主体とする77団体を始め、3,000名に及ぶ日本人が参加したことに、私自身が驚いております。いかにアフリカへの関心が高いかを感じた次第です。また今回のTICAD VIでは、73件のMOUが締結されました。TICADも六回目をむかえ、民間企業として、プロジェクトを着実に実行に移していく段階に差し掛かっており、これらをいかに実行に移していくかが大切だと思います。皆さんもご存じだと思いますが、アフリカでの中国のプレゼンスは高く、多くの点でアフリカ諸国は、日本は中国を比較している現実があると思います。
しかしながら私自身は、日本は中国と競争するのではなく、約束したことは守るという誠実さや、現地で産業を作り上げていくこと、質の高い技術や管理方法を伝えていくこと、そもそも100年以上続く企業が数多く存在する日本企業文化の強みを伝えていくことなど、日本の良さを武器に、アフリカとお付き合いをしていけばよいと思っています。そのためにもTICAD VIで締結したMOUを一つでも多く実現すべく、官民が力を合わせていくことが必要だと思っています。
9月30日には、外務省の丸山アフリカ部長をゲストに迎えて、経団連サブサハラ委員会がTICAD VIのフォローアップ会議を行いましたが、ほぼ全ての委員企業が参加し、参加者約100名の大盛況の会議となりました。各社とも2019年のTICAD VIIに向けて、着々と準備を開始していると実感しました。私どもも、次回TICADに向けてフォローアップをしっかりやっていきたいと思います。
最後になりますが、私ども経団連といたしましては、TICAD VIにおいて安倍総理が発表された日本アフリカ経済フォーラムへの参画や官民円卓会議等への参加を通じて、次回TICADに向けた準備に協力するとともに、日々の活動を通じて日本とアフリカの間の経済関係強化に取り組んで参りたいと思います。アフリカ協会の皆様、本日お集りの皆様には引き続き、様々な局面でご支援ご協力を仰ぐこともあろうかと存じますが、引き続きよろしくお願い致します。

モデレーター:片岡
加瀬委員長、ありがとうございました。民間代表の立場から、TICAD VIにおける民間セクターが投げかけた要請ですとか、演じた役割などを詳細にご報告戴きました。
さて、それでは、フロアをオープンさせて戴きたいと思います。ぜひご質問、コメント等おありになる方は、挙手をして戴けたらと思います。早速3人のパネリストの方にご質問して戴きたいと思うのですが、いかがでしょうか。では、前回TICAD VIが行われる前、6月くらいですかね、同じような会議を開いていたんですけれど、その時はちょうど伊勢志摩サミットの後でして、女性の役割がクローズアップされたので、TICAD VIでも女性の参加者が多かったのです。残念ながら本日は女性の参加者が少ないのですけれども、レディース・ファーストで、女性の方からということで、お話を戴けたらと思いますけれども。よろしくお願い致します。

質問者:吉田志保 豊田通商(株)アフリカ統括部
Thank you very much for your presentation. My question is to ambassador Oubida. We are now 3 years ahead of TICAD VII in 2019, how would you measure the achievement in 2019, and we know it is very much short time prospect. So would we have any specific measurement to achievement at that point? Thank you.

回答者:フランソワ・ウビダ
Thank you madam for giving me this good question. I think you should have directed it to Kase-san. I am a bit uncomfortable when I speak about action to be taken by private sector because we are on the government side and the decision to go or not to go relies on the private sector. But what I can say is that as government representatives, we have a role to play also, and this was clearly identified that we should work in the way to improve the environment to attract more investment to contribute to the stability needed and to reduce the risks that are blocking the private sector from really coming in. As a group, the diplomatic group here, as I mentioned it, we have identified a lot of challenges. We are not just comparing Japan to China because as you know the systems are very different. It is not the same when China says we go, they go, because this is a government decision. Here it is a private one, and we have really to work closely with the private sector. We have been saying that the identified challenges have to be lifted to reduce the risk, to facilitate the access to financing, mostly to SMEs from Japanese and African sides, to provide the information data to the companies. At the time they need it they should have it. We have to work it very clearly. And it was our expectation that we should establish the Japan Africa Forum to make sure that we bring Japanese investor together with Africans, we engage them and they can network. And it is how probably they will set up the partnership we have seen in Nairobi where 73 MOUs were signed. So I think, this is rather a good approach. We will try to ease the implementation of all of that. We think that sometime in Africa we don’t really need hi-tech. Medium or much lower technology can be okay. Let me take an example in Burkina I know very well. We are producing 350,000 tons of mangos and we are just processing less than 10 000 tons, into juice and consumption of the local people. It means that all the difference has to go for pigs to eat, for animals to feed them. This is a loss. We have companies that process only 5 to 6 thousand tons. Investing in such companies should be one of the priorities to take. We don’t have to go around to look for other projects. This is opportunity for us first and for Japanese. And when Japanese technology go to Africa, this is long-term benefit for Japan because, whatever you say, the maintenance will be there, Japanese technology will be promoted, and Japanese funding will come in. So I think that if we work on this kind of projects before 2019 we should be able to say, ok we got it, and we`ll really get to that. Thank you very much.

Thank you for your detailed answers. My name is Shiho Yoshida from Toyota-Tsusho Corporation. Thank you.

モデレーター:片岡
ありがとうございます。続いてのご質問ある方いらっしゃいますか。では鴻池会長。

質問者:鴻池一季 (株)鴻池組名誉会長(アフリカ協会・副会長)
いろいろ具体的なお話を戴きましてありがとうございます。私からの質問は、今回のTICAD VIが前回と違うはっきりとした三つの柱を打ち立てられたということを、それぞれのスピーカーからお話がございました。三つのうちの三番目の社会の安定化という点について、このTICAD VIでより具体的にどこまで掘り下げられていかれたのか、そして今後どういう方向に行くのだろうかという点を伺いたいと思います。日本企業でもテロの被害を受けたというのは近年ございましたし、これから進出されようとする企業も社会の安定、安全というところがちゃんとされないとなかなか二の足を踏むというところがあるのではないかなと思いますので、非常に重要なイシューでございまして、今回その点どういう議論がなされたのかということをご紹介戴ければと思います。

モデレーター:片岡
これは丸山部長、よろしくお願い致します。

回答者:丸山
この社会の安定の柱は、今回多くの関心を集めた柱でした。それというのもこの社会の安定の中にいろんな角度から、彼らの社会の安定と考えるものを実現しようという考えがあったからです。だから見る人によって、この社会の安定というものをどういう風に捉えるかというのは違ってくると思います。たとえば、テロという観点から捉える人もいます。ただこれはマジョリティーではないのです。なぜならTICADは開発会議であって、どれだけの警備をするとか、どうやってテロリストに対抗するとかというテロ対策会議ではないからです。ここで考えたのは、その根本的な原因は何だろうかと、そこに行きつくところというのは、若い人たちが将来の展望がない、特に農村にいる若い人たちが発展の展望もなく貧しい中で、職業訓練も受けられない、手に職がない、ではそういう人たちはどこに行ってしまうかというと、ある日過激派が来てリクルートを始めると、そちらになびいてしまう。こういった状況をどうするのかということです。
そこで、職業訓練をもっともっとやって行くべきだという議論もなされました。第一の柱の「産業化」でも職業訓練の重要性には触れましたが、主眼は産業人材をどうやって育成するかという議論で、どちらかというと、大学に行けるようなエリート、その人たちに更にどうやって活躍してもらうか、どういう形で日本企業のカウンターパートになっていくのか、それが第一の柱での議論でした。けれども、第三の柱は、今何もすることがなく困っている若い人たちをどうするかということです。そこで職業訓練、ということになっていきます。例えば労働者とするために何が必要なのか、あるいはもう労働者となっているけれども、技術が少ない人にどうやってより高度な技術を与えていくのか。そういった点については日本の民間企業が一番よくそのやり方がわかっていると思います。
具体例としてあげられていたのは、日本は何か事業を行う時に、現地の人を使おうとすることです。ハイスペックなものを作ろうとすると現地の人では能力が不足していることがあります。ある国は、自分たちの国から人を連れてきてやってしまおうとしますが、日本の企業はそんなことはしません。ローカルの若い人たちを育て、その人たちに技術を提供する。そういうところからスタートします。これが社会にとっての安定の基盤となっていきます。そういった議論も致しました。
それからあともう一つは、気候変動による食料不足の問題です。TICADが開催された時期は,干ばつが起こっていた時期でもあり、農業すら出来なくなってしまい,職のない若い人たちを更に絶望的な状況に陥れてしまいます。そこで食料援助の必要性だとか、気候変動に対応する必要性だとか、それが結局は社会の安定化に繋がるのだという議論などをしました。ですから、その分野で貢献できるというのは、環境分野で何かできるかということになっていますし、今度日本のその方面での民間に対する期待というのも出ていたような気がします。
さらに純粋に「平和と安定」ということでは、この第三の柱の分科会には岸田大臣にも出席戴き、ご発言戴きました。日本は今国連安保理の非常任理事国に入っています。安保理に入っていますと議長を行う議長月というのがあり、日本はTICAD直前の7月がその議長月でした。安保理では公開討論を行うことになっており、議長はそのテーマを決めることができます。我々が決めたテーマは「アフリカにおける平和構築」です。これがTICADのちょうど一か月前に、ニューヨークの国連安保理で議論することができました。そこにケニア等アフリカの外務大臣も来て議論をしました。その時に我々が強調したのは、平和がなければ、いかに経済、ビジネスを呼ぼうとしても企業は出てこないので、平和構築から始めなくてはいけないということです。それとPKOの重要性です。特にアフリカにおいてPKOはものすごく大きな役割を果たしています。日本も現在南スーダンに施設部隊を派遣しておりますけれども、彼らの果たす役割はすごく重要で、そのノウハウをアフリカの方たちも求めている。PKOにはいろいろな側面がありますが、日本が提供できるノウハウというのは、重機の動かし方など、施設部隊が持っているノウハウです。それをアフリカのPKO要員に伝授する。そのために,アフリカにあるPKOセンターを活用して、現在,日本は自衛隊の方々を講師として派遣して、人材の育成をしています。
先ほど出ました女性のエンパワーメントはアフリカにおいてもとても重要で、女性たちをどうやって自立させるか、どうやって経済の中に組み込んでいくか、そうすることによって社会の安定が更に強固になっていきます。そういった多角的な点から議論が行われたのが、この「社会の安定」での議論でした。以上多方面に話が飛びましたけれども、様々な議論がなされたものですから、それらを紹介させて戴きました。

質問者:余村茂樹 (株)カネカ カネカロン事業部総括グループチーム
弊社の経営トップおよび役員はTICAD VIの経済ミッションに参加させて戴き、私も本会合の方に参加致しました。弊社はカネカロンというブランドで、繊維事業をアフリカで20-30年間展開していますが、頭髪装飾商品、具体的にはつけ毛の原料を供給して、アフリカのパートナー顧客が最終製品にして販売しています。4月には、ガーナに駐在事務所を開設して、今後も拡大していきたいと思っています。その中で、例えば現地に商品開発センターの設立や、美容師あるいは装飾商品を付ける美容師の育成も検討しており、こういった民間企業の取り組みにも、何か提案すれば300億ドルの枠組みの中でご支援や協力を戴けるのか伺います。

モデレーター:片岡
これは丸山部長で宜しいですか。JICAの江口さんが宜しいですか。では江口さんからお願い致します。

回答者:江口秀夫 JICAアフリカ部長
JICAには、民間企業がいろいろな事業を提案した時に、実証事業として進めるといった提案型事業を受け付けるスキームがあります。そういった提案はたくさん戴いていますが、全部が実証事業として通るわけではありません。これまでにないものを公的な機関がやるのは難しい点もあり、ODAができることには限度があるのでハードルも高いのですが、新しいことをやらねばならぬ時もあり、検討する余地は充分にあると思います。
実際に企業が進出する時には、いろんなアイディアがあって、技術があって、製品を開発して、ビジネスを展開していきますが、そこでいろんなファイナンスの必要が出て来ると思います。ファイナンスをどこから得るかという時に、日本企業は、日本の金融機関、日本の公的な金融機関から資金を借りることが多いと思いますが、JICAの場合はアフリカ開発銀行と協力して、現地のいろんな開発銀行に資金を提供して、現地の金融機関が現地でのプロポーザルに対しての融資を行うこともやっており、このスキームをアフリカの各地でも紹介しています。現地企業とジョイントでやった時に、現地企業の方がうまく融資を獲得できるように紹介したり、地場の金融機関と共にビジネスモデルを展開してくような形での、間接的ではあるが、日本のODA資金を使った協力というのはあり得ると思います。
いろんな形で提案戴いたことに、我々も何ができるかを、今までにやっていないからできないということではなくて、新たなことをやっていきたいなと、今お話を伺っていて思いました。

モデレーター:片岡
では加瀬委員長お願い致します。

回答者:加瀬
今の江口さんの回答に加えてですが、たぶん南アのスタンダード・バンク、あるいはヨーロッパのスタンダード・チャータード・バンク、こういうとこがアフリカの事業に対して積極的にファイナンスを付けているという事実があります。従ってパートナーの方からの要請によって、そういうことも可能じゃないかと思いますので、検討されてはどうでしょうか。金額が大きくなって、生産性向上とタイアップするような形でのセンターとかということになると、今度はJBICさんとの相談も可能ではないかと思います。

モデレーター:片岡
ありがとうございました。商品開発センターという形で、その現地の製造担当者ですとか、あるいは開発者、こういったものを現地視点で育成するということも踏まえてのご質問でした。ありがとうございました。
それでは、オレンジの服の方。

質問者:宮本悟 聖学院大学 総合研究所
丸山部長と加瀬委員長に、アフリカでの人材育成に関して伺います。私は安全保障の専門家で本来アフリカとはあまり関係がありませんが、中東などに関わっていて、日本の防衛産業は中東で何か役に立つのかという議題が時々あがります。イスラエルあるいはイランなどで、日本の防衛産業の製品は、あまりにも精密すぎて質が高すぎて、中東では何の役にも立たないという意見がよく出ます。砂が多い中東で、日本の自衛隊の主力小銃である89式を例に取れば、これは整備するために106本のボルトを外さなくてはならず、全く戦闘の役に立たないと言われています。従って、「質が高ければその国に役に立つ」というわけではないということが、我々の間では共通理解です。アフリカで考えてみると、中部のコンゴの方は熱帯雨林で、南の方は乾燥地帯といろんな気候があり、その国々によって、必要とされるもの、必要とされる技術、またその水準、それはバラバラであると考えています。人材を育成するにしても、「その国に合った人材を育成していかなければならない」ということが日本の課題としてはあるのではないかと思います。同時に、それをわかる日本側の人材も育成しなければならないのではないかと考えます。そういった日本側の人材を育成する準備はしているのでしょうか。それをお伺いしたいと思います。

モデレーター:片岡
では丸山部長。

回答者:丸山
今アフリカが求めている人材というのはたくさんあるのですが、日本に求められる人材というのがあり、それを我々は優先的に提供していく必要があろうかと思っています。
一つは教員、特に理数科を教えることができる人で、このニーズは非常に高いです。国語を教えてくれとは言われませんが、理数科です。共通言語ということもあるでしょう。
次は、ロー・エンフォースメントに関連する人材です。裁判官とか警察とか、法を執行する人たちを教える人材をよく求められます。日本が法治国家として、極めて高い評価を得ていて、その日本のノウハウをぜひ学びたいということだと思います。
もう一つは、最近特に多いのですが、保健分野の人材です。これは医師というよりもむしろ看護師の方で、看護師を育成してほしい、あるいは保健人材を育成してほしい、そういったニーズが非常に高くあります。これも日本がこれまで例えばアジアの方でやってきた様々な援助から、そういったノウハウを持った人が既に存在しています。日本は母子保健というものを前面に立てて、今までも援助をやってきていますが、昔よくアジアでやったのは、病院を作って、そこに看護師さんも一緒に入れて、ワンセットで現地の人材を育成して、その育成された人がまた今度は地方に行って同じようなことをやっていく。そういうことをやっていたわけですけれども、恐らくアフリカの方もそういった方々を求めているといったことだろうと思います。
ですからご質問の回答としては、こちらが彼らに合わせて何かをやっているという状況の前に、彼らの方から具体的に日本のこういった人たちに来てほしいというニーズがあり、それに対して我々は答えていくという段階に来ています。それをやっていくうちに、またその中でも国ごとにいろいろと違いが出て来るのだろうと思います。特に保健の分野でいえば、感染症、この分野での専門家は日本でもまだまだ少ない。先ほどエボラの話もしましたけれども、エボラで私が本当に痛感したのは、日本にはまだまだこの感染症を本当に扱える人というのは極限られている。だからこそ人を派遣するにも、極めて限られた人数の中でやっていたということが思い起こされます。そういった分野の人材育成は、今まさに日本の中でやっています。将来いろいろなところで役に立つ、そのための人材だろうと思っています。

モデレーター:片岡
どうもありがとうございました。では加瀬委員長お願いします。

回答者:加瀬
産業界の方では、二つ流れがあろうかと思います。一つは、アフリカの多くの国々では、基礎教育もできていないということがあります。工場のラインなどで働いてもらいたいが、まだそのレベルにない。そういう人たちを工場内で教育していく必要があります。その一方で、我々が、今ABEイニシアティブで呼んでいるのは高度産業人材ということで、経営幹部や、工場なら工場管理とかを引っ張っていける人材です。つまり、幹部と現場の両面で人材育成をやっていかなければいけません。
繰り返しになりますが、工場でやっているのは、本来は、その国の基礎教育でやっていただきたいことですが、雇用の創造を優先する中で、現場の教育を重視せざるを得ない理解しております。

モデレーター:片岡
ありがとうございました。それでは三洋食品の福地さんお願い致します。

質問者:福地利充 サンヨー食品(株)海外事業部 部長
最初の一点目は人材育成の質問だったのですが、被ってしまいまして、アフリカの人を育てるということに着目されていると理解しました。もっとアフリカ耐性の強い日本人を育成し、一層の人材プールをお考え戴きたいというのが一点目です。二点目は、当社はナイジェリアとガーナでビスケットを作っており、例えばその栄養付加型の商品を出すことに援助戴けるスキームはないか。三つ目は、昨日の国際報道2016で、ボコ・ハラムに捕まっていた女性が20数名解放されたとありました。今ISに対して総攻撃を出していますけれども、ちょっとボコ・ハラムの方が風化してしまっていて、日本国政府としては何か対応されているかという質問です。カノとかその近くまでは行ったことがあるんですが、さすがに我々の駐在員、インド人ですけれど、さすがにあのチャド湖の辺りまでは行きませんから状況がよく判りません。風化しつつある感じもするので、もう一度お聞きしたいと思います。

モデレーター:片岡
ありがとうございます。これも丸山部長。

回答者:丸山
「アフリカに進出できるような人材を」ということですが、全く同感です。いくつかやり方はあると思いますが、いろいろと芽生えてきているものもあって、それらをぜひ活用したいと思っています。一つは、大学間交流です。大学間交流はいろんなところから始まっており、日本でアフリカに行きたい、アフリカのことをもっと知りたいという学生さんたちがたくさん出てきています。そういった方々を大いにエンカレッジして、交流を推進することです。またその方々が、今後アフリカの関係の仕事に就けるような態勢にもっていくというのが一つ。
それから長年来の課題ですが、JOCV海外青年協力隊の方々の再就職先をどうするかという事も一つ大きな点としてあると思います。その人たちは、一般のアフリカの方たちもなかなか行かないアフリカの奥地まで入って、経験されるわけですから、ある意味既にもうアフリカの耐性というのができている方々、これを活用しない手はないというのが、私の個人的な考えです。ぜひ今ここには民間の方々もたくさんいらっしゃるのでお願いしたいのが、このJOCVの若い人たちを大いに採用してあげて、良い流れを作って戴きたいということです。
また、最近では高校生もアフリカに関心を持っていて、時々会合に招かれるので、私も好奇心もあって行ったりしますが、すごく勉強しています。高校生でどういった貢献がアフリカにできるのかなどの議論もしています。この人たちはまた将来大学に行っても、そういった関心を持ち続けると思いますし、またそれを奨励している大学や、あるいはアフリカの大学と提携しているような大学に行った場合には、恐らく実際にアフリカに行って、ますます関心を高めることになると思います。そのような人たちを我々はもっともっとネットワーク化していく必要があると思っています。今文部科学省の方でも大学間交流ということで、アフリカの大学との交流も促進していますので、そういったところにうまく乗せる形でネットワーク化する。それからJOCVとのネットワーク化、そういったものを考えながら、若い人たちに就業機会を提供してあげればと思います。既にもうアフリカに喜んで行って、活躍できる人材のプールはあるのではないかと思います。
次にボコ・ハラムですが、実際風化していると思います。まだまだ安全だとは申しませんが、ブハリ政権になって、北の対策が力強く取られたことは事実で、彼らも最初のころは領土、地域を抑えて、そこを支配しようとしていたわけですけれども、今はもうそういったことはできない。単発的に、何も知らない少年少女に爆弾を持たせ、それで自爆テロをするぐらいしかできなくなってきた。それすら最近はほとんどもう聞かれなくなってきているというのが、今の実態だと思っています。ただこれをもってボコ・ハラムはもうお終いと申し上げるつもりはなく、彼らはもともとナイジェリアの北部とか、チャド湖の周辺にいた部族から始まった地域のある意味ならず者集団だったわけですけれども、もとに戻っているのかなという感じはします。チャド、ニジェール、カメルーンといったナイジェリアを囲む他の国々も、相当な力を持ってこの鎮圧にあたりました。その効果が一つ一つ出始めているという感じがしていますが、だからと言って北の方の危ないところには軽い気持ちでは行かれないことをお勧めいたします。

モデレーター:片岡
ありがとうございました。

コメント:ウビダ大使
Thank you. Just to comment on two issues, education and security. On the education, I think ambassador Maruyama did put it very clearly. But the question was, “are we educating Japanese in the way that they will be interested by Africa?”, if I understood very well. I can say that yes, something is being done. But there are a lot of challenges. If you take a look at Japan 10 years, 20 years ago, there was less knowledge from Africa from the people than now. Because many activities have been initiated and developed, there are more networking situations between Japanese and Africans, and this is the right way we should try to strengthen. I was mentioning earlier our relation with Yokohama. As you know, at the time of TICAD, they have established a kind of program called one school one country. It means that they give the opportunity to the embassy representing the African countries here to go to the school and to speak to the young people, the students, to tell them about Africa. I think that doing it this way we are really preparing for the future, these young people. They will grow with clear picture on how is cooperation about, what is Africa, why should Japan cooperate with Africa, and this is very important. Maybe some time one of them will be sitting here and we never know. If there exists one, it will be good. The other challenge I am going to mention is in the universities. As you know, only a few years ago, there have been English programs brought in, but it is still difficult for non-English speaking countries. There is very good strong enthusiasm from our young people to come here and study and learn about Japan, but the obstacle is there. When you have to apply, because of scholarship is not enough, you have to go to the university website. Connection to internet is almost impossible in Africa. When you are not in English speaking country, you have to translate the documents. This is very expensive. When you apply, you just apply for one university. If you fail, you have to start all the process again. This is a real challenge. Bringing more students here will give more opportunity to Japanese young people to network with them and to learn more about Africa, and also to really get this wish to go to Africa. We have seen through JOCV, Japanese Oversea Cooperation Volunteers. Spontaneously they have offered themselves to go to Africa and they have been living in very hard conditions, not really in the cities but out of the cities, sometime with no electricity connection. And they have to stay for 2 years. Many of them when they completed 2 years, they don’t want to come back because they have really developed the feeling for African side. They got to really know better. I think there is room on which we can really work in the future. So in the way that really we bring Africa closer to Japan and vice versa. Thank you.

モデレーター:片岡
Thank you for your additional comment.
では時間が無くなりましたので、ここでせっかくおいでになられたに日本・AU友好議員連盟会長代行の三原先生、一言戴けますか。

三原朝彦 日本・AU友好議員連盟会長代行
皆さん、こんにちは。実は昨日神戸で、このプログラムがありまして、JICAとJETROが一緒になって開催し、関西を中心とした150人くらいのアフリカン・スチューデントも参加して、非常に活発な集まりでした。TICAD VIには私も参加しましたが、大企業ばかりでなく中小企業の方々も両方いて欲しかったなと思います。みんなが興味を持つことがこれから先の日本とアフリカの開発のウィンウィンの関係のもとになります。やっぱりベースが広くないといけません。あの会社が、この会社がと、僕がまだ名前を呼べるくらいのことじゃやっぱり駄目ですよね。どこもここも関係持って行っているよ、ということになってほしいな、とそんな気がしましたので、皆さん、今日来ている方にも大いにアフリカを応援して戴きたいと思います。ありがとうございました。

モデレーター:片岡
ありがとうございました。これからお茶会を進めますので、今日のお三方、丸山部長、ウビダ大使、加瀬委員長、に盛大な拍手をお願い致します。
大変ありがとうございました。

司会
皆様、本日はありがとうございました。
この後、お時間のある方は、そちらの方にコーヒー・クッキーを準備してございますので、どうぞ意見交換、名刺交換、などにご利用いただければと存じます。
このフォーラムも年二回、毎年続けていきたいと思いますので、また次回もどうぞよろしくお願い致します。
本日はありがとうございました。

(編集責任者:淺野昌宏)

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